産婦人科の天才ミン・ユンギ (ページ14)

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.jn(ちょっと昔のお話) ページ14

～3年前～

「どうして赤ちゃんってこんなに可愛いんでしょうか？」

って真面目な顔で聞く彼女はカンさん
。カンさんは一ヶ月前に退院していて、今日は一ヶ月健診に来ている。

『なんでですかね(笑)カンさん。何か困ったことや不安なこととかありますか？』

僕がそう聞いた理由。それは彼女の左腕には沢山の自傷行為の痕があったから。でも、傷痕はだいぶ古いようにも感じられた。

「う～ん。大変なことは沢山あるけどでも今は楽しいから特にはないですね(笑)」

『そうですか(笑)』

そう言う彼女の笑顔を見ると心が暖かくなった気がした。

**

でも、ある時を境にカンさんは健診に来なくなってしまった。心配になって病院の役員の方が家に行ってもいつも不在だし、電話もでなくなってしまった。

それから二ヶ月たったある日カンさんが健診に病院に来た。

少し痩せたような気がする。

『カンさん？何か困っていることはありませんか？』

「………先生、私、もう辛いです。」

あまりにもストレートな言葉に鼻の奥がツンとした。

『何があったのかおしえてくれませんか？ゆっくりでいいですよ。』

「…………………あの、」

ｺﾝｺﾝ

「失礼します！先生緊急オペ入りました！！」

『え！？』

「…ユンギ先生も今オペ中で今空いているのソクジン先生しかいらっしゃらなくて、」

『…』

「………あの、先生？私大丈夫です！がんばります。」

そう言うと彼女は赤ちゃんを抱えて診察屋を出ていってしまった。

「先生！オペ！」

『……あ、はい！』

僕は本当にこれで良かったのだろうか。