君の彼氏になりたい。【4】

● キスした理由 ページ20

亮平くんが手作りで
作ってくれたご飯を、
一緒に食べて
他愛もない会話を
していた。


そのまま私は
亮平くんの家に
泊まることになった。


お風呂に入るまで、
ソファーに座って2人で
くつろぎながら、
いろいろ話してた。



阿部「あ...のね？
これ伝えといて
欲しいって
言われたんだけど...」


『誰から？』


阿部「滝沢くんから」


『えっ？怖い...何？』


阿部「えーっと...
A1月1日付けで
ジャニーズ事務所に
移籍です」



まさかこんな大事な話を、
太田プロの社長や
美緒ちゃんよりも先に
メンバーから聞くなんて、
衝撃過ぎた。



阿部「滝沢くんが、
太田プロの人たちと
話し合って決めたらしい...」



相変わらず仕事が早いよ、
たきくんは。


その後も
大学の話やら
気象予報士の話を
していた。


ふいに
パッと亮平くんの方を
向いたらなぜだか
下を向いてる


どうしたのかな？
と思って、
顔を覗き込んで
名前を呼ぶと、
いきなり腕を引っ張られた


びっくりして
目を閉じたら、
自分の唇に柔らかい
感触が当たった。


恋愛経験のない
私でも分かるぐらい
何があったのかすぐに
理解できた。


あぁ...
私、今亮平くんに
キスされた。



阿部「...ごめん。」



謝らないで...
そりゃ同じ屋根の下で
男女2人いたら
キスぐらいするよ。


でもどうして
悲しそうな顔をするの？



阿部「本当にごめん」


『別に謝ること...
じゃ...ない...けど
キスした理由知りたい...』


阿部「...長くなるけど
聞いてくれる？」


　『うん』



小首をかしげながら
そう言ってきた
亮平くんは、
いつよりあざとい。


でもどこか
真剣な表情だったから
静かに聞くことにした。



阿部「俺ね、最初は
Aちゃんのこと
全然知らなくて...
ふっかと一緒に見てた
総選挙で
初めてAを認識したんだ。」


阿部「そこからさAKBさんの
リハを、ふっかと一緒に
見学しに行って
たぶん...じゃなくてそこで
初めて会ったとき俺、
一目惚れしたんだと思う」



阿部「そこから仲良くなって
どんどんAのこと
知るたびに
たまに見せる笑顔を
守りたいって
一緒にいたいって
思うようになって...」



阿部「いつからか
Aの全部を、
独り占めにしたくて
俺のものにしたくて...」


阿部「そこで気付いた。
あぁ、俺Aのこと
好きなんだなって」


阿部「だから改めて
言わせてほしい。
Aのこと好きです。

――俺と付き合って欲しい。」

● 初めての告白→←〇 2文字が言えなくて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す