君の彼氏になりたい。【4】

● 初めての告白 ページ21

“好きです。
俺と付き合ってほしい”


そう言われ、
驚きを隠せない。


好き？亮平くんが？
私を？


頭の中でぐるぐると、
整理つけたくても
つけられない。



『...えっ？』


阿部「今すぐ返事しなくていい。
でも代わりに
俺のこと意識してほしい」


阿部「意識して
俺のこと
好きになってほしい」


『りょう...へいくん...』


阿部「やっと言えた。
俺の気持ち。
好きだよ。」


『あの...えっと...』


阿部「俺はAの
彼氏になりたいって
思ってるよ。」



そんなに言われたら
意識せざるを
得ないよ...


亮平くんは優しいし
私のこといつも
気にかけてくれるし


照れた顔や、
あざといところ
可愛いなって思うし


でもどうして
私なのか分からない。


私なんて
常に真顔だし
女の子らしくないし...


バリバリ関西弁
喋るときだってある。


亮平くんの
好きなタイプは
わからないけど
100％私じゃないと
思ってた。


なのに...
そんな好きって...
亮平くんには
もっといい人が
いるよ...



『ねぇ、
亮平くん...』


阿部「ん？」


『亮平くんは優しいし
私のことをいつも
気にかけてくれたり、
照れた顔や、
あざといところも
可愛いなって思うの』


『その反面、
私なんて
女の子らしくないし
バリバリ関西弁
話す時だってある』


『亮平くんの
好きなタイプ
100％私じゃない
って今、思ったの』



『しかも
恋愛経験少ないし
告白されたこと
ないし
そもそも免疫ないし...』


『なんで私なの？って
思っちゃう...』


阿部「俺はね
Aのたまに見せる
笑った顔が好き。」


阿部「好きなタイプとか
関係ないよ。」


阿部「俺はAが
好きなの。」


『ありがと...
でも...ごめんね。
付き合うとか
考えられない...』


『でも意識は...
すると思う...』


阿部「ゆっくりでいい。
俺のこと好きって
なったら改めて
答え聞かせて？」


阿部「でも
忘れないでほしいのは
意識はしていて？
俺はAが好き。」


阿部「意識して、
し過ぎて
俺のこと好きに
なってねっ？」



そうやってニコって
笑う亮平くんは
あざといけど
優しい。


初めて告白された。
その告白を初めて
断った。


それが
こんな苦しい
気持ちなるなんて。



『ありがとう。』


阿部「うん。
じゃあAおいで！
ぎゅーしてあげる！」



私は両手を広げてる
亮平くんに、
飛び込むように
抱き着いた。

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