趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

噂の彼 ページ23

side.nanamori







せめてもの足掻きの様に声を絞り出して言うAちゃん。



考えさせて、かあ。

…まあ、ここまで言わせれば今回は及第点かな。





な「良い返事、待ってるよ」


そう笑顔で言えば『笑顔が怖いですななもりさん』と苦笑いされる。






それはごめん、こっちも本気だから。笑


だってせっかくのチャンス、ものにしないと。







『あー…でもなあ…』と彼女は食事を再開させながらごにょごにょ言ってる。








そこへ、ずっと静観していたさとみくんが口を開いた。




さ「Aさあ」

『ん？』

さ「要はアンチだったり、アウェーな状況になるのが怖いんだろ？」

『うーん…』






さとみくんの友人、俺の昔からの憧れ。

そしてYouTube上での認知度もバッチリの彼女。

それでも既存のグループに途中加入というのはやはり不安もあるだろう。

加えて、初めての女性メンバーになる。

いくら俺やさとみくん、他のメンバーもフォローに入るとはいえ、確かに気後れしてしまう気持ちは分からなくもない。







さ「なあ、心細いなら相方も誘ってみれば？」








"相方"――――monoと唯一投稿をしている彼。









さ「いるだろ、“クロくん”が」







さとみくん、ナイスプレー。


俺も彼も含めて勧誘したかった。それこそ初めから。






な「Aちゃんどうかな、chromeくんも一緒に」







彼がいれば少しは違うだろう。


本人がいないところで話をするのは些か気が引けるが、一度彼女を通して声を掛けた方が良いだろう。


そう思ってAちゃんを見ると、







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