趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

サプライズ ページ18

side.you







さとみくんの言われるがまま開いたYouTube。


その編集画面を見たななもりさんが言葉通り固まっている。




モノクロchannel、知ってくれてる…のかな。



アクションがないとどうしていいのか分からない。


助け舟、と思ってちらりとさとみくんを見ると、彼の目線はななもりさんに向けられている。








あー…、




意地の悪い顔してますね。





こいつ…と批難の目を向けてテーブルの下で軽く靴を蹴ってやるとぱっとこちらを見た。


こちらの意図を汲み取ったのか否か、へらりと笑い、再び目線はななもりさんへ。









さ「なーくんなーくん、」









サプラァーイズ、







なんともおちゃらけた言い方。



サプライズって何だよ、と突っ込もうとした。






のだけれど、









勢い良く椅子から立ち上がったななもりさんがテーブル越しに身を乗り出してきて言葉が詰まってしまった。




その勢いに気圧され、思わず椅子の背もたれいっぱいまで身を引く。


角が当たって背中がちょっと痛い。







な「monoさん！？」





本物！？、と言う彼の剣幕がすごい。



そして、台詞に既視感を覚える。








『は、はい。monoです』






距離が近い、とガードする様に両手のひらを向けながら頷くと、ななもりさんの瞳に輝きが差した。







相手に向けていた両手を強く握られる。









な「ずっと前からファンです！！！！！」









期待と興奮で満ちた、純粋な少年のような瞳。









視界いっぱいにななもりさん、その隅でさとみくんが腹を抱えて笑っている。









…なにこの状況。



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