趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

決心しました。 ページ38

side.you





ななもりさんの言葉がひとつひとつ、心にストンと落ちてくる。

ネガティブな気持ちが段々と晴れていく気がする。







わたしの弛みきった涙腺が再び修復されつつある頃。

正直もうカラオケどころじゃなくて、ななもりさんからの提案で時間までのんびりしている。

さとみくんがななもりさんに「ハラハラするからやめてよもー」と小言を言っているのを眺めながらぼんやりと考える。







ははは、と反省など微塵もしていないであろう彼。




自分の夢をひたすらに追いかけて、メンバーの夢に寄り添って、リスナーに夢を見せてくれている。


そんな彼だからこそ、他のメンバーやリスナーの心をつき動かす事が出来てるんだなあ。









趣味で始めた動画投稿。

見てくれている人を笑顔に出来ているのか不安だった。

たかだか趣味程度のもので夢を語ってはいけないんじゃないか、と思っていた。




でも、今は違う。

わたしの歌を面と向かって好きだと言ってくれる人がいる。背中を押して応援してくれている人がいる。









自分の”夢”から逃げてたのは、自分自身だ。




――追いかけたい、この人たちと。









『あの、』





ん？と二人がこちらを見る。







勇気を出して、わたし。


先程の強ばって出来た握り拳じゃない、決意を込めて手をぎゅっと握る。









『わたしもすとぷり、入りたいです』






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