第六十一話(みかぜ ページ16
｢えっと...じゃあ、ひとまず私のお家に行こうか｣
｢うん！ちょっと前に行ったきりやな！｣
｢そうだね。｣
｢へぇ...どんな家なの？｣
｢木造のお家...だよ。｣
｢そう。｣
なんか、今井さんとはすこし気まずいかも...いや、私が勝手に気まずさを感じているだけなんだけど…
｢Aの家はな〜めっちゃ大きいねん！！｣
｢そんなに？｣
｢おん！あのな〜二階建てで、部屋がおっきくてな〜
そんでめちゃくちゃ綺麗やの！！
あとお菓子も美味しい！！！｣
｢―――お菓子｣
その単語を聞いた時、今井さんの瞳はピカーン！！と光った...ように見えた。
｢...今井さんは、食べること...好き、なの？｣
｢ええ、まあね。今回のコンテストもそれが目当てで参加することにしたし｣
｢そうなんだ...｣
意外だなぁ...
｢...ここかしら？｣
｢ああ、うん｣
｢たしかに大きいわね。広そうだし｣
｢せやろ！？庭もあるし広いやろ！｣
｢ええ。｣
｢えっと...それじゃあ、どうぞ。あがってください｣
｢おじゃまします｣
｢おじゃましまーす！！｣
｢あ...そうだ。あのね、弟帰ってきてるかもしれないから...｣
｢...お姉ちゃん？帰ってきたの？｣
｢あ、夾...ただいま｣
｢おかえり、お姉ちゃん。...蜜柑さん...とそちらは？｣
｢あ、この子は...｣
｢今井蛍です。よろしく｣
｢...よろしく｣
｢今更だけど、蛍でいいわよ｣
｢うん...蛍、ちゃん｣
少しだけ、本当に少しだけ心がむずっとした
｢...神代夾です｣
｢よろしく、夾｣
｢うん｣
｢...蛍さん見たら、少しあおちゃん思い出した｣
｢え、なんで？｣
｢顔が整ってるから...かな。性格は別として｣
｢...そっかぁ｣
それって少し失礼なんじゃないかなぁ...って思ったけど心に閉まっておいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
