ハートBEAT

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「長旅ご苦労様、向こうではどうだった？」

「…まぁ、そこそこ充実してた…かなぁ」


少し頬を引きつらせながなそういうと、金髪の少女＿三峰Aは突然思い出したようにカバンから出すと、相手にメモリースティックを手渡した


「これ、新曲とそのデモ」

「サンキュー」


貰った相手はそれを受け取ると、少しの間じっと見つめ、そのあとすぐにAの方を見直すと口を開き「何週間…いや、何日で完成させればいい」と真っ直ぐに言った


それを聞くと、Aは満面の笑みで言った


「来週の土曜にはライブ

だから、三日後には完成させといて。」




「……嘘だろ」


同じく金髪の少年＿三峰友也は絶句した








＿Astroβ


数年前、当時まだ中学生程だった少年少女たちで結成され、東北で知らないものはいない。メディアにも取り上げられたロック調の曲が印象的なバンド


ボーカルの少女がリーダーをしており、ほぼ全てを一人でこなしていた

作詞

作曲

全ての楽器の譜面

舞台構成


リーダーがきめたそれらを、他のメンバーで話し合ってもう一度練りなおりて決める

リーダー中心でも、個人の尊重をしているバンド


…しかし、わずか1年ばかりで活動休止となった


原因はリーダーの海外留学
少なくとも七年はかかるといわれたバンドの復活


しかし、五年後＿一週間前速報が入った


「バンド復活ライブの開催」


いつ開催されるのかわからない

メンバー変更が行われているかもしれない


それでもファンはその話があったころからなんとかライブに参戦できるようにとスケジュールの調整をしている

そんな中



「…ッあァーもう！！！！！！」


一人の少女が、つけていたヘッドフォンをベッドに投げ飛ばし叫んでいた


「音数多い！！！コード進行ムズイ！！！これ本当にキーボード！！？？ギターか何かと間違ってない？？」


「絶対おかしいって！！
こちとら左利きだってのにさぁー！！！」



しかし、これだけ叫んでもまだ収まる気配もない


「これを？？今日含めて二日で？？」



彼女は中原美琴。マンダリンオレンジの髪に深緑の目が印象的な
Astroβのキーボード担当



「…ま、これなら通して弾けるようになるまで一日ってところか」



…そして、天才だ

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