孤独の女王【あんスタ】【アイカツ！シリーズ】 (ページ7)

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ｶﾞﾁｬ

すると、そのレッスンルームから一人の女性が出て来た。
それは、「天翔ひびき」だった。

先程から彼女は、入ってこない彼らを不審に思っていたのだ。

そして、こう口を開いた。

「なんで皆入らないんだ？Aさんもきっと皆を待っているのだろう？さ！入って入って！」

「天翔ひびき」は暫し強引に彼ら「Knights」をレッスンルームへと入れた。

彼女――「橙咲A」はそれどころではなく、いつの間にか床に寝転がり未だに肩で息をしていた。
そんな所に、畳み掛けるように

「Aちゃん、次発声練習するよ。」

と、「明日香ミライ」が言った。
彼女はあからさまに嫌な顔をし、

『えぇ～？？』

と言った。
「明日香ミライ」は負けじと、こう放った。

「久しぶりに見に来たらここまで衰えちゃってるんだもん！こうなったら私たちが納得するまで付き合ってもらうよ！」
「うっ・・・！！」

彼女は「衰えている」という言葉が心に来たのだろう。
ショックを受けているようだった。

だがしかし、「Knights」の者達はというとこれで「衰えている」というのに驚いているのだろう。

・・・この程度では、もっとびっくりすることであろう。

貴女side ―――――――――――――――――――――――――――

毎日走ってはいたけれど、まさかミライさんに「衰えている」なんて言われてしまうとは・・・

「ほら！立って立って！」

無理矢理な形で立たされ、発声練習をすることに。

・・・ふと視界の端に見えた男性の影。
誰だろうと思い、見てみると「Knights」だった。

『あれ、皆さん来てたんですね。』

気付きませんでした。

なんて皮肉じみた言葉は心にしまいつつ。
電子ピアノの前に立つ。

「はい！それでは、音と同じ音を出して下さいね。」
『はーい』

～♪

これはファの音。
だから、上手く喉を調節して

『～♪』

同じ音を出す。
これが出来なきゃ歌は上手くならないってアイカツ業界では言われたりする。

「次は二音です。」

小さく頷き、音をしっかりと聞く。

――ピアノの音以外何も聞こえないこの部屋。

昔の風景を感じさせた。

『～♪』
「うん、そんな感じ。」

褒められるのは、此処に入って中々無かったから嬉しかった。
…例え、それが嘘でも。