孤独の女王【あんスタ】【アイカツ！シリーズ】 (ページ26)

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第四章　ライブページ26

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貴女 Side ―――――――――――――――――――――――――――

「――本番三分前です！！」
『…よし、行きますか。レオさん』
「嗚呼」

　ライブ本番三分前。
　舞台裏は今も騒がしく人が廻っていた。

『――レオさん』
「ん？なんだ？」
『…一緒にライブをやってくれてありがとうございます』

　舞台横から見える、沢山のお客さんたち。
そのお客さんたちの中にも、沢山見知っている人がいた。

「…急にどうしたんだよ」
『…きっと、レオさんが居なかったらここには立ってません。
何も、昔の事は思い出せてません。昔から、一緒だって写真を見せられても思い出せませんでしたから。
…でも、それでも。私はレオさんと共にライブが出来て凄く嬉しいです』
「そっか。
…うん。俺も嬉しいよ。A。だからさ。がんばろっか」
『――はい！！』

　――ライブの幕が開ける。
　私たちは無我夢中で、ライブをした。
　お客さんたちと一緒に笑って、叫んで、泣いた。

【今日はほんとにありがと～！！！】
【ありがとー！！】

　黄色い歓声に浸る。
　そして、私は息を吸った。

【皆に、少しだけお話があります】
「…言うのか」
『うん。だって言わなきゃ、変でしょう？レオさん』
「ま、それもそうだな」

　会場内がざわめきだす。

【…私、燈咲Aは。
来年度より、海外へ拠点を移動します！】

　「え…！？」や、「うそ、でしょ…？」と言った困惑の声。
　それに加え、泣きだす声も聞こえてきた。

【――私はね、今までソロでやってきました。
でも、レオさんや、ジュンに出会ってから色々世界が見える様になってきました。
　だから、と言う訳でもないんだけどね。私はもっと世界が見える所へ行って、頂点に立ちたい。
そう思ったんです。
　勿論、向こうに行っても有料配信とかでライブは見れるようにするし、現場に来ることもオッケー。
…だから、皆泣かないで。ね？】

　何故か、泣く予定が無かった私まで泣いていた。
　涙が、ぽろぽろと、顔を伝っていた。

「…A……」
【さ、悲しい雰囲気は終わり！！まだまだあるからね、楽しんで！！】

　無理矢理な形で、その場を凌いだけれど。
　正直、もう号泣したい気持ちだった。
“ごめんね、私の所為で泣くことになっちゃって”って。