孤独の女王【あんスタ】【アイカツ！シリーズ】 (ページ22)

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漣ジュンSide ―――――――――――――――――――――――――――

『…嗚呼、そういことですか。
勿論、緊張はしますよ』

　向かいに居る彼女の顔は俯いていて、顔は良く見えなかったけど、声は自分自身を嗤っているようだった。

『緊張しないライブなんてありませんよ。いつだって緊張します。
“罵声を浴びないかな”とか、“ネットで批判受けないかな”とか。いっつも本番前とかは吐きそうになるくらい、緊張してます』

　いつの間にか燈咲さんは顔をあげていて、苦しそうな顔をしていた。

「…それでも、ライブをし続ける理由って、なんですか」
『――ファンの笑顔』
「え」
『ファンの笑顔を見ていると、“嗚呼、次も頑張ってライブしなきゃ”って思うんです』

　今まで、何が彼女を突き動かしているかが不思議で仕方が無かった。
　それを今、聞いたけれど。――やっぱり、俺には理解できなかった。

「…俺はそういうのよくわかんないっす。
アイドルなんて、自分の娯楽の為にやってるんで」
『…大体の人はそういうよ。
私はね、スターライト学園っていう、学校でアイドルをやってきて、色んなことを学んだんだ。
　みんなで一緒に、上へはいけないこと。
　アイドルは、ファンを喜ばせるような行動を心がけること。
他にも、色々学んだ。だから、それを活かすために此処へ来た』

　今まで、俺が見て来たアイドルの中で、この人だけは、これからも絶えず輝くんだろう。
そう思った。

「…なら、それを活かすためにも。
俺にその心得を教えてくださいよ」
『――えぇ！勿論！』