フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

〃 ページ14

「ああ、そうだったな」


もうずいぶん前に感じるノエルとの会話を思い出し、
思わず苦笑を漏らした。


「やはり、血はつながっているようだ」

「はい？」

「いや、何でもない」


しかし、ノエルよりもずっとかわいらしく、
魅力的に見えるのはなぜだろう。

人間の小娘にここまで揺さぶられる日が来ようとは。


その穢れのない真っ白なAのすべてを、
穢れのないまま、穢されることのないように、閉じ込めてしまえたら。

その瞳に自分だけを映してくれたら。

自分の色に染め上げられたら。


などと、自分らしくない思いが交錯する。

自分でも自分のことを気持ち悪いと思うぐらいだ。
この思いがばれてしまえば、拒絶されるのは目に見えている。

私は悪魔。

人間に感情移入など、すべきではないのだ。


だがせめて、今だけは。


「わっ、ちょっと、どうされました？どこか痛いですか？」


その小さな体を、抱きしめさせてほしい。


*



「ちょっとカロン！私のAに何をしているんですの！」

「確かにあの悪魔も気に食わねぇが、
ノエルの″私の″っつー発言もどうかと思うぜ」


わたわたとカロンの腕の中で慌てる私の耳に、
ノエルのとげとげしい声と爆弾魔・フーゴの声が入ってきた。

これは……まずい！


ノエルはカロンと相思相愛……。
こんなところを見られれば、ノエルは怒り狂うだろう。

私とだけでなく、二人の仲にも亀裂が入るかもしれない。


「ち、違うのノエル、これはその、えっと、カロンが、
ちょっとふらついて私にもたれかかっただけで、ね？」


カロンに同意を求める。
カロンは私から離れながら、どこか辛そうに眼をそらした。

もしかして、本当に体調が悪いのかな？

そんな私の心配をよそに、カロンは私の言い訳に同意する。


「そんな言い訳が通用すると思っているんですの！？」


ノエル……めっちゃ怒ってるぅ……。

その言葉は激しさを増し、段々方向性が変わり……


「この鳥頭！」

「鳥ではない！悪魔だ！」


という痴話げんかに変わった。
正直ほっとしていたりもする。

ノエルとカロンはなんだかんだ言ってお似合いのカップルだから、
私も二人の観察を身近に行っていて楽しかったりするのだ。

そんな私の手を引いて、フーゴが耳打ちしてくる。

要約すると、二人のことはこのまま放置して、
部屋に来ないかというお誘いだった。


「なんか悩んでるみてーだしよ」


その言葉で思い出す。
まだ何の解決策も出てないことに。

〃→←被虐のノエル　カロン＆フーゴ　リク

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す