フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

被虐のノエル　カロン＆フーゴ　リク ページ13

世間からテロリストにされた双子の姉、ノエル。
ノエルがそんなことするはずないと、
彼女を探すこと……どれぐらいたっただろう。

とある廃製鉄所を訪れたことによって、私たちは奇跡の再開を遂げた。

そこでバロウズ市長の悪事を、ノエルと、契約した大悪魔カロン、
ノエルと手を組んだ爆弾魔にその手下(？)からかわるがわる聞いた。

正直信じられなかったけど、ノエルはそんな嘘はつかないし、
実際、再開したノエルはぼろぼろだった。
だから、信じるしかなかった。

ノエルは眼帯をしていて、両足も義足で、手もなくて。

あ、でも、不思議をそれをかわいそうだとは思わなかった。
復習という信念に身を燃やすノエルは、
私の知ってるノエルとは別人のようで、寂しく思うと同時に誇らしかった。

それほどまでにかっこよかったのだ。

そして私はノエルの復讐に、できる限り協力することにしたのだった。


でも――


「協力って、正直何をすればいいの……？」


実践だと足手まといになるだろうし、
だからと言って私にできるのは料理洗濯裁縫掃除……。

ああ、こんなことならプログラミングでも習っていればよかった。

私にできることなんて、それこそおとりぐらいじゃないか。

頭を悩ます私に、声をかける影が一つ。


「どうかしたか」

「あ、カロンさん」

「カロンでいい」


ノエルと契約した悪魔のカロンだった。

カロンはカラスの血を使って呼び出したとノエルが言っていた。
だから頭がカラスっぽいのかな……？

なんて、失礼なことを考えるのはよそう。

かぶりを振って、目の前の悪魔に尋ねる。


「じゃあカロン、ノエルの復讐に協力したいのは山々なんですけど、
正直何をすればいいのかわからないんです。それを悩んでいて……。
これといった長所もないし……やっぱりおとりが一番の使い道ですかねぇ」


重いため息をついて、ちらりとカロンを見やる。

――それが身長差によって必然的に上目遣いになっていることには
Aは気づかなかった。


カロンは何故か目を伏せてわざとらしい咳ばらいをすると、
私の頭に手を置く。そのままポンポン、と軽くなでられた。


「もっと自分を大事にしろ、お前がおとりになる必要はない」


慰められているのだと気づくのに、少し時間がかかった。
そのくすぐったいような嬉しいような気持ちを隠すためにも、
私は顔を背けて、大げさに口をとがらせて言う。


「私は″お前″じゃありません。Aです」

〃→←〃

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