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しばらく歩いて誰もいない階段の踊り場まで着くと、爆豪君を壁際まで押しやる。
そのまま勢い良く手を壁につけば、今若いカップルの間で流行りの「壁ドン」の完成だ。
え、もう流行ってない？
そんなことはないだろう。
壁ドンは女子の永遠のあこがれなのだ。
ただ、今の場合の壁ドンは、女子のあこがれからかけ離れたものだが。
どちらかというと、カツアゲや脅しに近い。
爆豪君の眼をひたすら睨む。
爆豪君も私を睨む。
……爆豪君、身長高いな。
私より二十センチ弱高いから、壁ドンしても私の威圧感なんてほとんどないじゃないか。
「ねぇ爆豪君、どういうこと？」
「そりゃこっちのセリフだわ、どういうことだよテメェ」
鋭い目をさらに細める爆豪君。
うっわぁ、本当に
生で見ると迫力がある。
どうでもいいが。
「あのさ、アンタなんにも知らないの？」
「テメェが俺の文句垂れた上に『死にたくない』って喚いて無様な姿さらしたことしか知らねぇよ」
無様な姿、と言われ、顔に熱が集まるのが分かった。
あの時は余裕がなくて感じなかった羞恥が、今更込み上げる。
「うっさい黙れ！それより！相澤先生から何も聞いてないの？」
「今日はまだ会ってねぇし、昨日はあの後帰れって言われただけだ」
「……」
そうか、なら仕方ないかもしれない。
大人しく睨むのをやめて、爆豪君の隣の壁に寄り掛かる。
「昨日のことは忘れるか、誰にも言わないで。じゃないと私が殺される」
「んなことわかっとるわ」
「え、わかってるの！？」
思わず二度見すると、忌々しそうに舌打ちしてから「あの発言で大体察するだろ」といった。
さすが才能マン。察する能力もピカイチ。ついでにさっきも私の心情を察して引いてほしかったな。
「詳しく説明しろや」
ということで、爆豪君にも事のあらましを説明することになった。
いや、話す気はなかった。
爆豪君はただ昨日の出来事を忘れてくれればそれでいいのに、と思った。が、両手を爆破されながら迫られたら、いやでも話すしかないだろう。
恐喝だ恐喝。それでもヒーロー志望か。
それで、説明を聞いた後の爆豪君がなんていったと思う。
「つまり、テメェは今俺に弱みを握られてるってわけか」
ですってよ。
それも真っ黒で楽しそうな笑顔で。
初めて向けられた笑顔がこんなのとか、うれしくないんですけど。
それにしても性格悪いよな爆豪君。それでもヒーロー志望か。
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真白 - 👍 (2023年3月22日 0時) (
レス) @page31 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ヒマワリ(プロフ) - 正直、ぶりっこキャラものすごく嫌いなんですが、ぶりっこキャラを演じている良い子だと、ものすごく可愛いと思えました。お疲れ様ですm(_ _)m (2020年9月16日 20時) (レス) id: c31f8595d4 (このIDを非表示/違反報告)
歌好き - とても楽しかったです！あんまりヒロアカなどは見ないのですがこれを機に見ようと思います！お疲れ様でした！ (2020年3月24日 14時) (レス) id: 4d2af9c89e (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - イオさん» ありがとうございます。もうすぐ完結の短いお話ですが、そういっていただけてうれしい限りです。 (2019年7月7日 13時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年6月26日 21時) (レス) id: a58a9f4966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2019年5月3日 17時
