【殺戮の天使】前世持ちオタクの興奮

五十四話　考え直し2 ページ18

「ビルに入ってしまえばこちらのものです」

「しかし問題はどうやって入るか……」


付き添いっていい案だと思ったんだけどなー。
危険じゃないし。

しかし、よく考えればレイが私を連れていきたいと言っても
ダニーが許してくれないだろう。
そもそもそんなこと言ってくれないだろうし。

人だって殺したくないし、やっぱり私って考えが甘いのかな。

殺せない私が天使側だったレイの付き添いなんて、無理があった。


それなら、ためらわず人を殺せるようになればいいって？

そうすれば、別にレイに接触しなくても
あの神父と出会うだけで天使としてあのビルに行ける。

……確かにそうだろうけど、
ノアに人を殺すきっかけを作ったことを謝るために、
人を殺すなんて、可笑しい気がする。が……。


ああ、もうややこしい！
私ノアよりは賢いけど馬鹿だからこういうの苦手なの！
(ついに自分が馬鹿だと認めた)


「いっそのこと、乗り込みますか」

「へ？」

「ですから、別に天使や生け贄、付き添いとして行かず、
普通に乗り込めばよいのでは？」


……あ、確かに。

わざわざ伝手を作って使わずに、単独で行っても問題ない
……ことはないだろうが、それもアリっちゃアリだ。

そう納得しかけたが、
私にしては珍しくすぐにその作戦の欠陥に気づいた。


「そのビルってどこにあるか分からなくない？」

「そうですね……レイに発信機か何か仕掛けておけば、
彼女が病院に来なくなった日から滞在している場所がビルだとわかるのでは」

「なるほど」


リーファは頭の回転が速いらしく、すぐに解決策を思いつく。
感心して頷くが、すぐまた質問する。

もう一つ、気になることがあったのだ。


「私がただビルに行っても、
生け贄にされるか殺されて終わりじゃない？」

「……それは、まぁ、頑張ってください」

「投げやり！」

「では、作戦はそれで決まりですね」


つまり、自分の運にかけて、殺されないことを祈りながら
一人で階段を降りろと。まぁ、ほかに思いつかないから仕方ないけど。

これもノアと再会するため。

すでにレイにつける発信機をネット通販で探し始めたリーファに声をかける。


「レイにつける発信機だけど、高低も分かるようにしてほしいかも」

「なぜです？」

「レイが生け贄になったタイミングで行きたいじゃん」

「……」


眉をひそめたリーファが振り向いた。

五十五話　優先順位→←五十三話　考え直し

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す