第六天魔王様様 ページ8
信長についてこい、と言われてAは信長の後ろを歩いている。
とは言うが、信長の足はやや速く、Aはほぼ走っているが。
信長が連れてきたのは丘の上だった。遠くに火が見えていて、そこには家もあった。
「エルフの村……!!火がついてる。城で見たやつですね。」
信長「あぁそうだ。たぶん、奴らは支配下に置かれている。そして今、虐げられているのだ。」
「じゃ、じゃあ、あの子達を襲ったのってそいつら!」
信長「そうだな。まぁ案ずるな。そっちにはお豊が向かった。俺達はここの畑に火をつける。」
Aはフリーズして、信長の言葉を一つ一つ噛み砕いた。
「畑に、火を……。なるほど、確かに村を獲りに行くんですね。」
信長「分かるのか。」
「まぁ。」
Aは信長同様、悪い笑みを浮かべた。
しかしふと、豊久のことが心配になった。
「豊久は何しに村へ行ったんですか。」
信長「奴らを根切りしに行った。ちなみに与一は森に逃げた兵士の始末。」
「ふぅん。それでは、つけますか!火!!」
信長「おいおい、本当にお医者様か?」
「こう見えて、サバゲー好きなんで!!っはぁー!こういうのゾクゾクするわぁー!!」
信長はAの将来が心配になった。
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先程まで静まり返っていた麦畑は、あっという間に火の海だった。
赤く燃えて、チリとなった麦は死んだ魂のように空に向かって散っていた。
「いやっふううううううう!!!やばい楽しい!!」
信長「やっぱ火はいいのう!!伊勢長嶋を思い出すわい!」
「ヌハハハハハハハハ!!」
信長「ふはははははは!!」
まさに地獄絵図。
一通り笑い終えると、信長は来い、とA呼んだ。
信長「村へ行くぞ。A。」
「はい。」
しかしAはこの後、最悪の悲劇を見ることになる。
村についたAの目に写ったものは、真っ赤な血に染まる倒れたエルフ。
Aはひゅ、と息が止まった。そして呼吸を徐々に荒くしていく。
信長「………いかんな。……だめだA。行くな。」
今のAには誰の言葉も耳にはいらない。
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猫目石(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年2月11日 20時) (レス) @page40 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
タムさん(プロフ) - お隣の山田さんさん» ありがとうございます!がんばります! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 14a7f52abe (このIDを非表示/違反報告)
お隣の山田さん(プロフ) - 更新待ってます!!! (2020年11月27日 23時) (レス) id: d70d52a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
タムさん(プロフ) - aiueooooさん» お待たせしました!(´;ω;`) (2020年11月19日 10時) (レス) id: 14a7f52abe (このIDを非表示/違反報告)
aiueoooo(プロフ) - 待ってました! (2020年11月19日 3時) (レス) id: f537d46eb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むきたまご | 作成日時:2016年12月16日 22時