君との約束。

ありがとう ページ39

私と大貴は侑李のいる病室に入った。

さっきまでは発作を起こして大変だったらしいけど、今はだいぶ落ち着いているようだった。


「侑李...」

侑李「A...大貴...」


侑李の声は今にも消えてしまいそうな弱々しい声だった。


侑李「ねぇ、...」

「何..？」

侑李「僕...死ぬんでしょ...？」

「え...」

侑李「だから...だから２人に...言いたいんだ...」

「...」

侑李「大貴......


大貴にいっつも...元気...もらってたよ...


本当に...ありがとう...」


大貴「知念...」


侑李「A....


ごめんね...？...ずっと...側にいる..って...言ったのに...

でもね....僕にとってAは、最初で最後の....恋の相手だよ...でも...Aには....たくさん恋して欲しいの...僕じゃなくて...誰か他の人に...

だから....


たくさん恋して

たくさん人を愛して下さい....」


「侑李....」


侑李「最後に２人とも...


今まで本当に...ｺﾞﾎｯ..ありがとう....ｹﾞﾎｯ...

２人が...いなかったら...ｺﾞﾎｯ....今の僕はなかった...ｹﾞﾎｯ....」


「侑李...！もう喋らなくていいよ！」

大貴「そうだよ、知念！！」


それでも侑李は喋り続ける。


侑李「僕がいなくなっても....ｹﾞﾎｯ....

今のままでいてください...ｹﾞﾎｯ...

本当に....今まで.....


ありがとう...」


ﾋﾟｰーーーーーー


それから侑李は静かに目を閉じた。


「侑李....私...侑李じゃないと無理だよ....」


侑李じゃないと恋できない...

侑李じゃないと愛せない....


それからしばらく、私と大貴は

病室から離れなかった。

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