メロンパン【Daiki.A】

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Side大貴


なんだよそれ……。

Aちゃんは今にも泣き出しそうだった。

そんなに聡くんのこと……。


大貴「聡くん、ちょっとイライラしてて

思わずAちゃんに

八つ当たりしちゃったんじゃない？」


A「八つ当たり……？」


大貴「うん。だから、Aちゃんは

何にも悪くないと思うよ。

あと、ケンカするほど仲が良いって言うでしょ？

それに聡くんのことだから

今頃後悔してるかもよ」


そう俺が言うと少しだけ微笑んだAちゃん。


A「そう……だね……。

うん。大ちゃん、ありがとう！」


大貴「いえいえ。力になれて良かったです」


A「ふふっ」


良かった。Aちゃんに笑顔が戻って。







Side聡


健人『はぁ！？ケンカ！？』


聡「耳元でうるさいよ」


今電話しているのは中学が同じだった中島健人。

めっちゃカッコよくて俺とは全然違う……。


健人『お前らケンカなんかしたことないだろ！？』


聡「うん……」


健人『で、なに？初めてのケンカの理由は？』


聡「俺が……怒鳴っちゃって……」


健人『なんで？』


聡「なんか……。Aさ、ある男の子のこと

好きなんだけど、その子と喋ってるとこ見てたら

なんか胸がチクチクして、イライラして……」


健人『…………それ、嫉妬じゃね？』


聡「嫉……妬……？」


健人『聡はたまにAのこと

恋愛対象的な目で見てたもんな』


聡「変な言い方止めてよ」


健人『あながち間違ってはないだろ』


まぁ、そうだけども。


健人『兄妹としている時間が長すぎて

兄としての気持ちが少し恋愛に近いんじゃないか？』


聡「え……」


健人『人を好きになることはとても良いことだ。

でも、時にはその恋を諦めなければ

ならない時がある』


そりゃ、妹を好きになっちゃね……。


健人『本当にAのこと好きなら

Aのことを考えてやんな。

本当に好きなら相手のことを考えるのが

一番カッコいいんだよ』


な、なんか……。健人くん、カッコいい……。

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