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side K.I
「ねぇ、どうして!? どうして大ちゃんはおれに告白してくれないの!? もう10周年終わっちゃうよ!?」
「伊野尾ちゃんめんどくせー……」
「もうおれに飽きちゃったとか? もう約束のことも忘れてるとか?……あぁ、どうしよう、おれ立ち直れないよぉ……」
「まだそうって決まったわけじゃないでしょーが。」
最近仲良くなった山田と、山田おすすめの和食屋さんにて。
酔った勢いで山田にだけ大ちゃんとの約束を話してしまったから、山田とご飯にいくと必然的に大ちゃんの話になる。
「でも、伊野尾ちゃんだって大ちゃんのこと、そんな本気ってわけじゃないんでしょ? ほら、いろんな人と熱愛出てたじゃん。」
「あれは違うよ! おれを通じて大ちゃんと仲良くなろうとしてきたからちょっと構ってやっただけだもん! 体の関係とか持ってないもん!」
「……じゃあ、一途すぎて大ちゃん引いてんじゃないの。」
「それも対策済みだから! こいつ重いな、ってイメージを防ぐために大ちゃんといるときはテキトーさ二割増しにしてるし!」
だめだこいつ、って目でおれを見た山田が大きくため息をつく。それからちらりと腕時計を見て、立ち上がった。
「今日はそろそろ帰ろ? 大ちゃんのことは、またいろいろ探ってみるから。」
「うん、おねがいね……そろそろ不安で胃が破れちゃいそう……」
「伊野尾ちゃんの場合、ほんとに起こりそうで怖いわ……」
「ってことで、会計よろしく。」
「ちょ、おま……!」
後ろからなにか叫んでる山田をおいて、店の外に出る。
持つべきものは金持ちのメンバーだなぁ、なんて考えながら酔いざましに歩いて帰った。
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作者名:鎖空 | 作成日時:2017年12月10日 20時