遙かな夢へと＃１&#５

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哲人side




試合が終わると、慎吾さんとAちゃんは、また一緒にいた。





でも、昨日までと違う空気。





おしどり夫婦のような







ホテルに帰ると、LINEが来た。



昨日はハタケさんから飲みに行こうとLINEされたし。


またかい(笑)




俺はそんな気持ちでスマホを開くと、こうあった。








【連絡遅れました。住田です。

この前は、ありがとうございました。

哲人に、言いたいことがあります。





慎吾さんと、付き合うことになりました。






これからも、ヤクルトのトレーナーとして頑張ります。

哲人とは、今まで通りに接したい。

夜遅くにごめん。

明日も頑張って】








うそ…やろ…







付き合う？







慎吾さんと…






必然的に、この前の告白は








ごめんなさい、だ








慎吾さんとA。







お似合いだ。







慎吾さんは、優しいし、しっかりしてるし、すごく良い方だ。









涙がこぼれた。






「…ないてるんや、俺…」









ｒｒｒｒｒｒｒ







電話だ。






「はい」

「…哲人」





慎吾さんの声だ。






今、１番聞きたくない声。






哲人「はい…」


慎吾「その声は…聞いた？」


哲人「はい…」


慎吾「なんか…ごめんな」




慎吾さんは悪くないのに


いい先輩すぎて、余計悲しい。



哲人「いいんです。Aちゃんの気持ちを考えなかった俺が悪いんです」


慎吾「哲人…」


哲人「幸せにしてやってください」







俺の、負け惜しみの言葉だった。

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