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心配 ページ40

私の名前を呼ぶ声がする。

だんだんと大きくなるその声に私は目を覚ました。



「おい、A、大丈夫か?!」

『……トレイ先輩?』




だいぶ慌てている先輩を見て大体の予想はついた。




「お前、丸3日寝てたんだぞ?!」

『あー…、いつものことなので、大丈夫です』




代償がきた。

私のユニーク魔法は物質物体の時間を巻き戻す。

その代わり、自分への反動が大きいのだ。




特にオーバーブロットしたブロットの時間を巻き戻す場合は。

ただただ自分が寝こけているわけではない。

自分の思い通りにいく時間が無くなるのだ。


人の時間を巻き戻す分、私は人の先へいってしまう。




「いつものことって…とりあえず保健室行くぞ!」

『トレイ先輩、これが僕のユニーク魔法の反動なんです』




ポカンとしているトレイ先輩へ説明をする。

基本的にユニーク魔法のことは黙っておきたかったけれど、今後もオーバーブロットの阻止にユニーク魔法を使用する可能性がある以上、伝えなければいけない。

ハーツラビュル寮がこんなに人を思いやる人ばかりの寮じゃなければ伝える必要なかったのかもしれないのに…





「じゃあとりあえずAは大丈夫なんだな」




再三、大丈夫だと言っているのにめちゃくちゃ確認してくる。




『大丈夫ですって。何度言ったらわかるんですか』

「あ、ああ、すまない」




こんなにも心配してくれるなんて。

ここへ来るまではまずなかった。




「どうして泣いてるんだ?」

『あ、いや、これは…』




溢れ出る涙を認識したのはトレイ先輩に言われてからだった。


どこか痛いのか、とまた慌てているトレイ先輩には申し訳ないが私は小さく微笑んだ。




『あ、はは。こんなにも心配してくれるなんて思ってもみなかったからですよ』

「当たり前だろう。みんな昨日から交替制にしてここにいたんだ」




授業をずっと休むわけにはいかないからな、と付け加える。

授業の一コマずつ代わる代わるみんながここで私のことを看ていてくれていたらしい。




『ごめんなさい』

「みんなにも言ってやれ」

『はい…』




(だからこんなにも部屋にみんなの匂いが染みついているんだ)

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とまきち(プロフ) - 警察官さん» ご指摘ありがとうございます。確認ミスでした。修正済です。 (2020年4月27日 14時) (レス) id: d35989c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
警察官(プロフ) - ピーッ! 今すぐにオリジナルフラグを外しなさい! これ、違反作品ですよ! (2020年4月27日 13時) (レス) id: 5b2b5dccb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とまきち | 作成日時:2020年4月16日 14時

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