試験生は今日も焦らない。【ツイステ】

決戦 ページ34

あの黒いオーラはオーバーブロット特有のものだ。

今のリドル寮長は火属性の攻撃が多い。




「ドゥードゥル・スート！今のうちに、早く！」

「くそっくそっ！またボクの邪魔をするのかトレイ！」

「でもそんなに長くはもたないよ。ピンチには変わりない」




オーバーブロットしたリドル寮長はもしかしたら必然的に火属性に強くなっている可能性がある。

それならば私は水属性の魔法を…




「こいつの魔力底なしかよ…」

「絶対に、絶対にボクが正しいんだ！そうじゃないとボクは今までなんのために…！」




これが寮長の本当の心の叫び…



「トレイ、集中して。押し切られる…」

「あ、ああ。すまない」




トレイ先輩はもうわかってる。

答えを。




『寮長！少し痛くても我慢してくださいね！』




知る限りの魔法を寮長にぶつける。

私が勉強してきたのはこの時のため。



だから私の魔法は攻撃力の高い魔法が多い。




『早く元に戻って、僕に話してくれたように、みんなにも本音をぶつけてあげてください！』




繰り出す魔法の数々に寮長が押され始めている。




『(今だ…！)』




私はこっそりとユニーク魔法を唱えた。



『ユニーク魔法 ――――― 』



「リドルから放たれていたオーラが消えていく！」

『今だよみんな！』




最後の攻防戦だ。

みんなが各々の強力魔法を放つ。



私のユニーク魔法で少しずつではあるが禍々しいオーラが消えていく。

私は自分の持ちうる力を出し切って既に魔法が出せない。




(みんな、ありがとう)
(もう私は、役に立てそうにない)

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