引き金 ページ30
「やっぱりルールを破る奴は、何をやってもダメ。お母様の言う通りだ」
『僕はそうは思いません、寮長。こんな無茶苦茶なルールは人を苦しめるだけです』
君もか、なんて悲しい顔をして言う寮長に対して私は自分の心を鬼にして伝える。
「この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ」
『…たしかに、僕は人から教えてもらうことはなかった。けれど、人の気持ちを考えるようになった。みんなの考えていることがわかる、わかってあげられる』
私はそんな自分の嫌いな過去に身についたこの悲しい特技とも呼べるものを使ってでも、寮長をその深い暗闇から救い出したかった。
「それでも簡単なルールにも従えないなんて一体どんな教育受けてきたの？ああ、キミはその教育すら受けていなかったのか」
「テメッ…ふざっっっっっっけんなよ！！！！！」
私の怒りが露わになる前に横から飛び出てきたエースによってそれは阻止されてしまった。
エースが代わりに、寮長を殴ったのだった。
「痛…え？ボク、殴られた…？」
「お前がそんなクソ野郎なのは親のせいでもなんでもねーって、たった今よ〜くわかったわ！」
『(私が殴ろうと思って構えていたのに…)』
構えていた手を収めてひとり、若干の羞恥心と戦う。
「この学園に来てから1年、お前の横暴さを注意してくれるダチの一人も作れなかった、てめーのせいだ！」
トレイ先輩やケイト先輩という友人はいた。
けれど、それは本当の友人ではない。
(本当の友人がいれば変わったのかな…)
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とまきち(プロフ) - 警察官さん» ご指摘ありがとうございます。確認ミスでした。修正済です。 (2020年4月27日 14時) (
レス) id: d35989c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
警察官(プロフ) - ピーッ！ 今すぐにオリジナルフラグを外しなさい！ これ、違反作品ですよ！ (2020年4月27日 13時) (レス) id: 5b2b5dccb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまきち | 作成日時：2020年4月16日 14時
