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ありふれた設定 ページ7

「俺はお前達の知っている人物ではないんだ。」

数秒間沈黙が続いた。

「そう、ですよね。…そうだと思ってました。」

先程までの元気な声ではなく、少し落ち込んだような小さな声が聞こえた。
薄暗い部屋でしばらく俺達は気持ちの整理を付けていた。男は落ち着いたのか、分からない事があれば何でも聞いて下さい!と言ってくれた。

これは有難い…
俺はお言葉に甘えて色々な事を質問させてもらった。

まず、この世界について。
ここは人外の暮らす王国「リュミエール」
多種多様な種族の人外がそれぞれの個性を生かし助け合い古来から文明を築き上げてきた王国で、
"我々を空から照らす灯火"として、太陽、碧き月、紅き月の3つの星が神とされているらしい。

そして昔のこの体が隊長を務めているのが
リュミエールの夜の騎士団「鴟鴞(しきょう)」
この騎士団は紅き月と碧き月の2人の神を信仰している者たちが集まり造られた騎士団らしい。
名前に鴟鴞が用いられたのは恐らく、夜の象徴のフクロウの別名であるからだろう。

細かく説明すると、昔の俺は紅き月の信者達の隊長で、
もう1つ碧き月の隊にもしっかり別の隊長が居るらしい。

そして、俺が入ってしまったこの体はとある貴族の吸血鬼のものだった様だ。
かなり不器用で感情を表に出さない一見冷酷な印象がある近付きづらい人物だったらしいが、根はどこまでも仲間思いで困っているやつは放っておけない優しい性格だったんだとか。

それが突然この書斎に鍵をかけ1人こもり、
食事も取らなければ訓練にも行かず、
約2週間後再び部下が様子を見に行った時にはカーテンが開かれ、日光に当たった状態で石になってしまっていた…

あれほど日光に当たるのを毛嫌いしていたのは俺が吸血鬼で、前に自害行為をしてしまったからだったのか。

「はは、あの頃の隊長は俺達に嫌気が差してしまったんです。帰ってくるはず無いですもんね…。」

一通り疑問だった部分は解決したが、こいつには嫌な事を思い出させてしまった。

俺が男に感謝と謝罪の言葉をかけようとしたその時。

「なんだお前ここでサボってたのか。」

突然扉が開き青年が入ってきた。

ありふれた出会い→←ありふれた信頼



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設定タグ:転生 , ありふれている , 夜_001   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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てふる(プロフ) - 華月らいが??さん» コメありがとう✎* (2023年3月2日 1時) (レス) id: dafd7b38ae (このIDを非表示/違反報告)
華月らいが??(プロフ) - ♡♡ (2023年2月28日 22時) (レス) @page9 id: 79815a8cd5 (このIDを非表示/違反報告)
忍冬鳳凰(プロフ) - やばい。うますぎる。神作品ありがとうございます〜!! (2022年7月30日 15時) (レス) @page5 id: 3f85f1ded9 (このIDを非表示/違反報告)
てふる(プロフ) - 華月らいが??さん» 誠感謝致 (2022年7月28日 19時) (レス) id: 96b178e2b8 (このIDを非表示/違反報告)
華月らいが??(プロフ) - 好きです (2022年7月28日 19時) (レス) @page3 id: 79815a8cd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年7月28日 15時

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