＊キャラは突き通したいよね ページ42
＊
「なにしてるの、その人達を通して。」
ふっ、決まった。
心の中でドヤりながら表情は崩さず冷たい表情で
言い放つ。あたしは今、ミステリアスな美少女キャラなのだ。
「貴方は......?」
「お前は星来のっ、！！」
さっきまで人質だったであろう女の子は目を丸くしてこちらを見る。そして雷門の監督と思われる男は誰かの名前を放った。誰のことかは皆目見当もつかない。(使いたかっただけ)
「その人達を逃がして。姑息な真似をしないと勝てない、そんな弱いチームじゃない。あたし達は。」
「しかしっ！」
うだうだと言い訳を並べる田中'sとその仲間達。
教官からの命令なのか、なかなか引き下がらない。
「牙山さんに何をされるかっ、」
だろうな。そりゃ怖いはずだな、気の毒に。
このままでは埒が明かないと思い、あたしはしぶしぶ
田中Aに言った。
「はぁ、じゃあ一人だけ人質を残して後の人達は逃がして？捕え損ねて一人だけ残ったっていう話にすれば教官もそこまで怒らないでしょ、そこまで。」
「ちっ、.....来い。」
「きゃっ、」
「空野！」
そう言うと田中Aは、手荒に青髪の女の子を
引っ張った。そういう趣味？きもいよ田中.....。
「早く出ろ！」
「空野すまない、必ず助けに戻る！！」
「私は大丈夫！はやく天馬達の所へ！！」
監視員達に強引に外へ押し出され、悔しそうに
監督さん達は逃げて行った。そして隣で田中Aに拘束された女の子を見た。彼女は不安ながらも何かを信じているような真っ直ぐな瞳で、小さくなっていくその姿を見つめていた。
「ごめんね、助けてあげられなくて。
人質とかまじせこいよね。ゴリラに言い聞かせとくね。」
「おい、牙山さんに言うぞそれ」
「まじでやめてください。まじで。」
田中Aに強く言って立ち去ろうとすると、
拘束されたままの女の子が「あのっ、」と控えめに声をかけてきた。
「監督達を逃がしてくれてありがとう。」
あたしはそれにただ微笑み返して静かに施設の中へと戻った。
きっとこの時のあたしの背中は英雄のような大きな背中だっただろう。我ながらかっこよさに酔いそう。
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こころ(プロフ) - ありがとうシリーズと君と出会えたシリーズ両方です (2021年2月4日 11時) (
レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こころさん» 一気読みというか単語が嬉しくてニヤニヤしてしまいます( ありがとうございます！一気読みして頂いたのはありがとうシリーズの方でしょうか？ (2021年2月4日 8時) (レス) id: bcf2fef704 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白くてついつい一気読みしてしまいました 続き楽しみにしてます頑張ってください (2021年2月3日 21時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - りんごさん» 今更のお返事で申し訳ないです(汗 ありがとうございます！本当にコメントが嬉しい限りです、、！不定期更新ですがよろしくお願いしますっ！ (2021年1月31日 23時) (レス) id: 3dd3dd55bf (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 今更のコメントになりますが、続編おめでとうございます！すっごく好きなのでこれからも更新頑張ってください！ (2020年10月2日 20時) (レス) id: 438772aa02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴神 | 作成日時：2020年8月16日 18時
