＊遥か昔 ページ35
＊
「この島はね、数年に一度、干ばつなどの厄災から村を守るために生贄を海に流して、神に捧げていたんだ。」
「生贄......」
生贄、と聞いた天馬の瞳は動揺に揺れていた。
シュウは真っ直ぐ夕焼けを見つめたまま続ける。
「生贄には二人の少女が選ばれた。そしてサッカーで勝敗を決め、負けた方の少女を生贄に差し出すことにした。負けた方の少女は.....その兄妹の妹だった。
兄は、どうしても妹を守りたかった。でも勝てる自信もなかった。その結果、兄はどうしたと思う？」
「勝負を、お金で買った。」
「!!」
口ごもった天馬の代わりにあたしがそう答えると、
天馬は驚いて目を丸くし、シュウは驚くことも無く頷いた。まるで自分が当事者であるように。
「結果、勝負をお金で買ったことがバレて結局妹は生贄になった。彼は自分の手で妹を生贄にしたみたいなものだよ。勇気があれば変わってたかもしれない。」
強い後悔が伝わるシュウの表情。
そんな彼の様子を見て、別人のようで別人ではない、紛れもない自分自身の気持ちが溢れた。
"自分を責めないで、お兄ちゃん"
しかしそれはシュウに届くことなく、彼は
高くボールを蹴りあげた。
「強くなければ、価値がないんだっ！！！！」
『シュウっ！！！！』
あたしは何故か、追いかけることが出来なかった。
＊
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こころ(プロフ) - ありがとうシリーズと君と出会えたシリーズ両方です (2021年2月4日 11時) (
レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こころさん» 一気読みというか単語が嬉しくてニヤニヤしてしまいます( ありがとうございます！一気読みして頂いたのはありがとうシリーズの方でしょうか？ (2021年2月4日 8時) (レス) id: bcf2fef704 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白くてついつい一気読みしてしまいました 続き楽しみにしてます頑張ってください (2021年2月3日 21時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - りんごさん» 今更のお返事で申し訳ないです(汗 ありがとうございます！本当にコメントが嬉しい限りです、、！不定期更新ですがよろしくお願いしますっ！ (2021年1月31日 23時) (レス) id: 3dd3dd55bf (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 今更のコメントになりますが、続編おめでとうございます！すっごく好きなのでこれからも更新頑張ってください！ (2020年10月2日 20時) (レス) id: 438772aa02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴神 | 作成日時：2020年8月16日 18時
