シャイ34. ページ34
ぼーっとしているうちにお昼休みになってしまって。
生徒たちが席を立つ中、私は大毅のことが気になって中々動けなかった。
一人で席に座ったまま大毅のことを考えていると
突然私の前の席に神ちゃんが腰掛けてきて。
「大毅のこと…気になる？」
『えっ…ま、まぁ……』
突然の神ちゃんの質問に答えがしどろもどろになってしまう。
「しげな、土曜日と日曜日ずっと公園におったらしくてさ」
『えっ…土曜と日曜は大雨やなかった？』
「そうそう…やのに傘も差さずにただただブランコに乗ってたらしいねん」
『何でわざわざ公園に……』
神ちゃんの言葉に頭が追いつかへん。
昨日と一昨日は物凄い強い雨やったはず…やのに何でわざわざ。
神ちゃんは私の顔をじっと見ながら
「びしょ濡れでずっと公園おって熱出すって幼稚園児みたいやろ？」と言って。
「でもしげのことやから嫌なこととか嫌なもの見たんちゃうかなぁ。
しげさ、ああ見えて繊細で傷つきやすかったりするからさ。」
私の表情を伺うようにそう言ってきた神ちゃん。
そんな神ちゃんの言葉に金曜日のことを思い出してしまう。
カフェで流星が私に顔を近づけてきたとき大毅はこっちを見てて。
もしかしてそのせいで…キスしたって思い込んだんかな。
私のせいで…と思うと物凄く胸が締め付けられた。
すると突然ドアから勢いよく誰かが入ってきて。
その誰かはさらに私の元まで勢いよく走ってきた。
「Aさんっ…！何で呑気に話してるんですか！」
『あっ…結衣ちゃん……』
物凄く息を切らしている結衣ちゃんは
きっと必死になって私のクラスまで走ってきたんやろう。
「大毅はずっとずっとAさんのことが大好きなんです！
私が大毅の立場やったら苦しいとき好きな人が傍にいてほしい…！」
息を切らしながらそう言った結衣ちゃんは
「ほら！早く立って！」と言って無理矢理私を立たせて。
「行ってあげてください！」と言って私の目の前に鍵を差し出した。
結衣ちゃんは大毅のことが好きなはずやのになぜ背中を押してくれるのか。
そしてなぜ結衣ちゃんが大毅の家の鍵を持ってるのか。
聞きたいことはいっぱいあったがとりあえず大毅に会いに行かないとって。
そしていつの間にか来ていた流星に
「これ持って行き」とドリンクが入った袋を渡されて。
私は勢いよく教室を飛び出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます、すごく嬉しいです(:_;) (2019年9月4日 18時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りってぃさん» はい！見てみます！ (2019年9月3日 14時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん、コメントありがとうございます(:_;)38話は個人的にも思い入れの話だったのでそう言ってくれるのすごく嬉しいです…！！読者様にこんなに感動していただけて私も嬉しいです…、もし良ければ他の作品もちらっと見て行ってください(..)*** (2019年9月1日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初めまして！最初から読ませていただきました！続編が切なく胸がキューってなりました笑それに38個目で泣いてしまいました…こんなに感動するなんて思ってなかったので自分でもびっくりです！！ (2019年8月22日 2時) (レス) id: b179e7f64c (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 風勝健葉聡さん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')初めから読んでいただけたなんて…本当に嬉しいです、ありがとうございます。コラボ企画の方も見てくださるなんてやる気が出ます。これから更新頑張りますね。コラボ作品の方でもよろしくお願いします。 (2018年8月3日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りってぃ
| 作成日時：2018年5月4日 15時
