ハウス84. ページ41
あれから私と神山くんはしばらく大きな三日月を見上げて。
"びっくりするぐらい綺麗な月やなぁ"と言った神山くんに私はもう一度夜空に輝く月を見つめた。
「ごめん、安藤さんの彼氏やのに偉そうな人とか言ってもうて」
『全然ええよ、実際私もそう思ってるし』
「ふはっ…やっぱり？」
『でも正直…あの偉そうなところも好きやねん』
そう言った私に優しく笑ってくれた神山くん。
そんな神山くんはなぜか"よし！"と言ってその場にゆっくりと立ち上がっていた。
「正直まだ諦めきれてないけど無理なことは最初から分かってたから」
「彼氏さんのいいところ聞かせてくれてありがとう」
辛いはずなのにそう言ってくれる神山くんはやっぱり優しくて。
何だか私まで泣きそうになってしまった。
すると突然神山くんがその場にしゃがみ込んでしまって。
慌てて駆けつけると目の前の神山くんはどこか痛そうにしていた。
『ど、どうしたん！！』
「何でもない、大丈夫やから」
『もしかして捻挫してるんじゃ……』
「ここに来るときにちょっとくじいただけやから…平気」
痛そうに顔を歪める神山くんにどうしたらいいか分からなくなって。
私はそんな神山くんをただ見つめるだけだった。
すると遠くから足音が聞こえてきて。
その足音はどんどんこちらへ近づいてきた。
「お前ら何してんねん」
聞き覚えのある声に慌てて振り返れば息を切らした望さんがいて。
面倒くさそうにため息をついた望さんはそのまま神山くんに手を差し出していた。
「掴まれ」
そう言って神山くんに手を差し出す姿はとてもかっこよくて。
結局いつも最後に助けてくれるのは望さんなんだとそのとき思った。
「いや…でもっ……」
「足怪我してるんやろ、見栄張んな」
望さんの言葉に素直に手を差し出した神山くん。
そんな神山くんの腕を強引に引っ張った望さんはそのまま神山くんと肩を組んでいた。
また…望さんが助けてくれた。
「勘違いすんな、別にお前のためじゃない」
「照史が心配するから仕方なくやからな」
そう言って神山くんを連れて歩く望さんは相変わらずで。
あのとき私を助けにきてくれたときの望さんとそっくりで思わず笑ってしまいそうになった。
「ふはっ…あなたも見栄っ張りじゃないですか」
そう言って笑った神山くんに気づけば私も笑っていた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです！個人的に流星くんがすきでした！ (2022年8月7日 21時) (
レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…！そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…！また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)！ (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして！毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです！このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます！ありがとうございました！ (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ！そう言っていただきとても嬉しいです！(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね！また書くことになったときはよろしくお願いいたします！(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです！もし良ければ続編希望です！ (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2021年2月21日 18時
