ハウス85. ページ42
あれから一週間。
私たちの生活も少しずつ丸く収まってきて。
6人での生活も慣れてきたころだった。
「俺、今日でここを去ります」
「新しく住むところが決まったので」
そう言って微笑んだ神山くんに驚きが隠せなくなってしまって。
"えぇえええ!!"と立ち上がった大毅くんに神山くんは苦笑いを浮かべていた。
「神ちゃんがおらんくなったら俺寂しいって!!」
そう言って神山くんにすがりつく大毅くんはやっぱり子供で。
いつの間にか照史くんも大毅くんも流星くんも神山くんのことを"神ちゃん"と呼んでいた。
やっぱり…神山くんは誰からも好かれる人だ。
「俺は昔から友達が少なくて」
「家が火事になって住む場所がなくなったとき優しく受け入れてくれて心の底から嬉しかったです」
きっとこれが神山くんの最後の挨拶だ。
神山くんの話を親身になって聞いている大毅くんはすでに泣きそうになっていた。
「お兄ちゃんみたいな存在の人がいたり、うるさいぐらい元気な人がいたり、王子様みたいにかっこいい人がいたり、ありえへんぐらい偉そうな人がいたり」
「こんなにたくさんの人に仲良くしてもらってほんまに良かった、一生忘れません」
"ありがとうございました"と言った神山くんは綺麗にお辞儀をして。
そんな神山くんの言葉に照史くんと大毅くんは大号泣していた。
「望さんとライバルになれてほんまに良かった」
「…俺はただただ迷惑なだけやったけどな」
「今からでも安藤さんもらって帰ってもいいですか?」
「あほ、あかんに決まってるやろ」
神山くんと望さんはあれからとても仲が良さそうだ。
ゆっくりとその場に立ち上がった神山くんは"じゃあまた会いにきます"と言って微笑んでいた。
『神山くん、ありがとう…!』
「安藤さん、それはこっちのセリフ」
慌ててそう言えば神山くんは優しく微笑んでくれて。
"また大学で"と言って手を振った神山くんはそのままリビングを出ていってしまった。
「波乱も過ぎたみたいやし俺もそろそろ帰ろうかな〜」
「お前いつからおったん」
「え?ずっとおったのに気づかれてなかった感じ?」
「なんでここにおるねん」
"お前のピンチヒッターや!"と言って立ち上がった流星くん。
そんな流星くんに"は?意味分からん"と言った望さんに思わず笑ってしまった。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時