ハウス68. ページ25
あれからあっという間に夜になって。
リビングのソファに座る私はしばらく望さんのことを考えていた。
結局望さんは夕食を食べているときもいつも通りで。
私と神山くんのことはあまり気にしていない様子だった。
……やっぱり照史くんの思い込みすぎなんじゃないかな。
もしかしたら…望さんは嫉妬とかそういうのしないタイプなのだろうか。
それともただ単に私に興味がないとか?
いやいや…付き合ってるんだからそんなことはないはず。
でも…もし本当に私に興味がないんだとしたら結構へこむなぁ。
≪ もし仮に望が今のAと一緒の状況やったらAはどう思う? ≫
そんな照史くんの言葉が頭の中でループして。
やっぱり神山くんと仲良くしすぎるのは控えておこう…とそう思った。
「テレビもつけずにそんなところで何してんねん」
『あ…ちょっと考え事を……』
するといつの間にか背後にいた望さんにそんなことを言われてしまって。
アイスを口に咥えた望さんはそのまま私の隣に腰掛けていた。
「お前も食うか?」
『あ、じゃあ私も……』
そう言ってこちらを見つめる望さんに私は慌てて立ち上がって。
冷凍庫までアイスを取りにいこうとしたときなぜか望さんに腕を掴まれてしまった。
「そういう意味じゃないねん」
『え?じゃあどういう意味ですか?』
意味の分からないことを言う望さんはなぜか手に持っていたアイスを強引に私に手渡してきて。
そんな望さんはそのまま冷凍庫へ新しいアイスを取りにいっていた。
も、もしかして…さっきの望さんの"食うか?"っていう言葉。
私が新しいアイスを食べるんじゃなくて望さんのアイスを一口もらう意味の"食べるか?"という意味だったのか。
それならストレートに言ってくれれば良かったのに。
まぁ、そういうところが好きなんやけど。
嬉しくなって望さんの食べかけのアイスを一口食べれば甘いチョコの味が口いっぱいに広がった。
「お前ってそういうところほんまに鈍感やな」
『なっ…望さんが分かりづらいんですよ!』
「やからそうやって他の男が……」
『ん?何か言いました?』
望さんの声があまりにも小さくて私には聞こえなくて。
慌てて聞き返しても望さんは"何でもない"としか言わなかった。
「アイス美味いか?」
そう言ってこちらを見つめる望さんに私は素直に頷いた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時