羽ばたけWEST ≪ 1000人企画 ≫

＊ ページ36

翌日。



休み時間、前の席の流星と向かい合って少しお喋り。

流星の変な話とか謎の話に私の笑いは止まらなかった。







『てゆうか、流星面白すぎん？』


「ちゃうねんって！ほんまに見てんって！宇宙人！！」



真面目な顔をして変なことを言うから私の笑いは絶好調。

そんな流星は"あ、髪にごみついてる"と言って私の髪に手を伸ばしてきた。







『どこどこ？』


「……うっそ〜！！！！」



そう言えば相変わらずの変顔でそんなことを言う流星。

……うわぁ、めっちゃ腹立つわこいつ。








『ほんっまむかつく！！！』


「あはははっ…！騙されたときのお前の顔だっさ！」



そう言って流星の肩をべしべし叩いていると後ろから"A先輩"という声がして。

慌てて振り返ればどこか複雑そうな顔をした小瀧くんが立っていた。









「ちょっと来てください」



そう言った小瀧くんは私の腕を掴んで。

そのまま強引に腕を引っ張られて連れて来られたのは誰もいない資料室。







「ずるいです、A先輩」



そう言った小瀧くんはゆっくりと振り返って。

そんな小瀧くんの目には少しだけ涙が溜まっていた。








「昨日のあれから何でか分からんけどA先輩のことで頭いっぱいで。

今日も朝からずっと先輩のこと考えてて先輩のことが頭から離れへんくなって。」



淡々と話していく小瀧くんに私の目はまん丸。

え、まさか私に堕ちたとかそういう話じゃないよね。








「さっき男の人と仲良さそうに話してるの見てすっごい嫌な気持ちになりました」



そう言った小瀧くんはしゅんっとうなだれていて。

突然気持ちをぶつけてくるもんだからどうしていいか分からなくなった。







「どうしてくれるっすか、この変な気持ち」



え…もしかして小瀧くん自分の気持ちに気づいてない？

いつも色んな女の子と遊び回ってるから恋とかそういうの分からないとか？







今まで17年間恋とは無縁の生活を送ってきたけれど。

何か新しい恋が始まるんじゃないか…と今そう思った。






『安心して、流星には中学から彼女おるから』


「え！まじっすか！！……って俺何でこんな喜んでんの！」









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今回は前々からずっと書きたかった"チャラい後輩"に挑戦してみました。

本当はずーっとチャラい感じが理想だったんですけど短編なので可愛くしました(..)**






ギャップがあるのっていいなぁ…と痛感した今日この頃です。









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