大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ9)

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ちょっとしてから、棒倒しを終えた圭人が

笑顔で帰ってくる。

kt 「大ちゃんー！見た！？僕と山ちゃんの活躍！」

「お疲れ、圭人。見たよ！本当に1位とるなんてすごいな」

まさか、本当に優勝するとは思わなかった。

山田がやる気になったのが勝因かも。

なぜやる気になったかは、未だに分からない。

メンバー全員リレーに出るから、

圭人は急いで来たみたいだな。

それは山田も同様で。

おそらく偶数の方に並んでるはずだ。

俺はそんな山田に、

バトンを渡さなきゃいけない。

…なんだかなぁ。

kt 「大ちゃんのおかげで助かったよ！山ちゃんがあんなにやる気出したのは、大ちゃんのおかげだね！」

「え？俺、なんもしてないけど？」

圭人に真面目に返すと、

彼はキョトンとした表情を見せる。

…ん？

kt 「え…。気づいてないの？」

「なにが？」

kt 「…だから、山ちゃんは大ちゃんのために頑張ったんだよ」

目が点になる。

…はて、なんのことやら？

本当に意味がわからなくて首を傾げると、

Really…？と呟く圭人。

え、本当だけど。

kt 「大ちゃんの影響だよ。山ちゃんが優勝を目指す気になったのは」

「え、俺？」

kt 「そうだよ。大ちゃんが〝頑張る人ってかっこいいよな〟って言うから、山ちゃんは大ちゃんにカッコよく見られたくて、頑張ってるんじゃん。山ちゃん、大ちゃんのこと本当に好きだよね」

は…っ！？

「へ、変なこと言うなよ！好きなわけあるか！普通、好きなやつに、デーブイデーばっか見てるとデブになる、とか言うか！？」

kt 「え？大ちゃんら付き合ってるんだから、好き同士でしょ。え、山ちゃん、本当にそれ大ちゃんに言ったんだ！」

ハッ…！！

そうだ！忘れてた！

デーブイデーネタを山田に伝授したのは、

圭人だった！

「圭人、ダメじゃん！山田にあんな面白くないギャク言わせたら！山田が漫才師になれなくなるよ！」

kt 「え？山ちゃん漫才師になりたいの？ていうか、面白くないってひどいなー。僕のお気に入りのギャクだったのに。だから、山ちゃんが大ちゃんを笑わせてあげたいって言ったとき、これを伝授したんだけど…」

眉間にシワを寄せて、

「んー、僕もまだまだ修行が必要だなー」

とかぼやいてる圭人は放っといて。

どうして、俺を笑わせたいんだろう？