大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ8)

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ym 『…ま、まぁ俺は、最初から優勝する気でいたけどね』

チラチラと俺の様子を伺いながら、

そう言う山田。

急にどういう風の吹きまわしだろうか。

kt 『そうだよ山ちゃん！そのいき！僕らなら絶対にいけるよ！』

ym 『当たり前だ。優勝なんて、抹茶のさいさいだろ』

ふふんと得意げな山田に、俺はフリーズした。

今、抹茶のさいさいって言ったよな？

あれ、おかしいな。〝お茶の子さいさい〟

だよな？

お前バカなの？いや、バカだろ！？

俺、びっくりしたよ。

ほら、知念まで目がキョトンとしてる。

kt 『よし、じゃあね大ちゃん、知念！僕らの活躍見といてねー！』

フレーズ状態の俺らを差し置き、

そう言って手を振りながら、

圭人と山田は行ってしまった。

そしては話は、今に至るというわけだ。

ch 「単純だよね、涼介って。分かりやすいっていうか。あ、ほら、僕らのチーム本当に優勝しちゃったよ」

あ、チーム分けは

俺、山田、知念、圭人チームと、

薮ちゃん、光くん、裕翔、高木、いのちゃんチームな

ひとりで納得してる知念だけど、俺は結局、

山田がなぜあんなにやる気になったのか

分からないままだ。

「本当だ。すごいなー」

そんな俺の反応に、知念は再びため息をつく。

ch 「大貴がこんなだと、涼介も大変だね…」

「え、なにが？」

ch 「なんでもなーい。ていうか、次はリレーだから、僕たちもそろそろ行かなきゃね」

知念に促され、俺らも向かった。

「てか、なんでよりにもよって、山田がアンカーで、俺がその前を走るの？」

歩きながら、俺は口にする。

ch 「こういうのって、みんな気をきかせてカップルをできるだけ近づけさせたがるの」

「やること小学生みたいだな」

そうなのだ。

みんなは冷やかしまがいに

俺らの走る順番をくっつけてきた。

おかげで俺は、山田にバトンを渡さないと

いけない。

ch 「まぁ大貴は走るの早いんだし、別にいいんじゃない」

「そういう問題じゃねぇ…」

山田にバトンを渡すのがなぁ…。

知念の言う通り、

走るのはそこまで苦手じゃないけど…。

ch 「僕は走る順番が偶数だから、あっち行くね。大貴は奇数だからあっち」

俺は静かに自分の走順のところに並んだ。