大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ23)

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ym 「恥ずかしいからとか、変な理由で俺を避けてたら許さないよ」

無理矢理顔をあげられ、

山田と目が合う形になった。

「……っ」

俺の考え、バレバレじゃん。

超はずかしい…。

「山田。今スマホ持ってる？」

ym 「え？何いきなり」

「いいから！」

俺はテーブルの上に置いてあった

自分のスマホを手に取る。

…ホントだ。山田からメールが来てる。

山田がスマホを取り出したのを確認すると、

俺は山田へ電話をかけた。

少しのコール音のあとに、山田は電話に出る。

『も、もしもし…』

『なんで、わざわざ電話するの。隣にいるのに』

地味に久しぶりに、山田と電話した。

すごく新鮮だ。

左隣に座ってる山田の声が、耳元で聞こえる。

なんとなく顔を合わせづらいから、俺は俯いた

電話なら、恥ずかしいけど直接話すより

言いやすいかなって思ったのに。

もしかしたら、逆効果だったかもしれない。

そう思うけどな。

伝えなきゃ、後悔する気がしたんだ。

『ちょ、直接言うのは癪だから、電話で言ってあげる』

ym 『なに？』

すぐとなりにいるのに、

俺は目を合わせることも出来ない。

…あー、もう！

羞恥心なんてクソくらえだっ！！

『…収録の時は、助けてくれてありがとう。ホントはすごい嬉しかった』

『………』

なにも言わない山田。

気になって、チラッと目線を山田の方に向けた。

すると山田は、左耳にスマホを当てたまま、

目を見開いて俺を見ていたんだ。

予想外の出来事に、胸がドキッとする。

だけどその表情は一気に崩れ、笑みがこぼれた

ym 『ふっ』

『…な、なんで笑うんだよ！』

ym 『いや…こんなに近いと、大ちゃんの声がすぐ近くでも聞こえるから、変だなっと思って。しかも大ちゃん、素直に礼なんか言うし』

『な…っ！俺が礼を言っちゃ悪りぃの！？

ym 『そうじゃないよ。なんかいいなって思って』

『…何が？』

ym 『右からも左からも大ちゃんの声が聞こえるのって、すごい落ち着く』

右から聞こえる電話ごしの声に、

左隣から直接聞こえる声に、

俺の胸はトクンと音を立てた。