ひとりじゃないから-wtnb-＊ ページ23
伊沢side
「……こうちゃん、痩せたよね」
たった今閉められたばかりのドアに向かって福良さんが呟く。それは今まで誰も口にしていなかっただけで、みんな思っていたことだった。
「ちゃんと飯食ってんのかな、」
「……わかんない」
今日は大きな仕事がひとつ終わったから、みんなでご飯を食べようという話だったのに、こうちゃんは先約があると言って、食事会の直前にオフィスを出て行ってしまった。こうちゃんに限らず、たまにあることだから誰も止めなかったけど、最近なんか元気ないし、心配にもなる。
「……とりあえず、冷めちゃうし食べようか」
「そうですね」
俺の一言で、乾杯をしてそれぞれが料理に手を出し始めた。料理は美味しいのに、こうちゃんのことが気にかかって、みんなテンションはいつもより低いままだ。
「最近ご飯に誘っても断られてばっかりで……」
しゅんとした様子で山本がそう言った。こうちゃんと食事に行ったメンバーはいないか聞いたが、誰も手を挙げなかった。
「こうちゃん、ここ最近オフィスでご飯食べないやないですか」
「そう、ご飯の時間になるといつのまにかいないんだよ」
ただ単にオフィス外での予定がいっぱいなだけならいいんだけど。そうは思えないから、こんなに心配になるんだよね……
こうちゃんside
友人と夕飯を取ると嘘をついて、料理の匂いが充満したオフィスを飛び出した。
「……はぁ、はぁっ、」
最寄り駅まではそんなに遠くない。それなのに、最近すぐに息が切れる……原因は自分でもわかっているけど。
「っ、」
ちょうど夕飯の時間で、駅前の飲食店からは食べ物の匂いがしていた。お腹が空くわけでもなく、胃の不快感が増す一方で、逃げるように電車に乗った。
家に着いた頃には疲れ切っていて、着替えもしないままベッドに倒れ込んだ。みんなは今頃食事会を楽しんでるんだろうな。嘘をついてしまったことへの罪悪感と、どうしようもない不安が心の中に蓄積されていく。
「はぁ……」
口を開けば出てくるのはため息ばかり。大学と仕事とプライベートと。こんなに充実しているのに、何もかも面倒くさいと思っている自分もいる。
「……なんも、したくない……」
最後にちゃんと食事を摂ったのはいつだろう。美味しいってどんな感情だったかな。考えれば考えるほど辛くて、さっさと寝て全て忘れてしまいたいと思った。それなのに、目を閉じてもいつまでも眠れなかった。
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雪月花 - すいません、どうしても分かんないです。色々有名そうなのを入れてみて全部出し尽くしちゃったんです。ヒントとか貰ったり出来ませんか？ (6月18日 20時) (
レス) id: a76a285c93 (このIDを非表示/違反報告)
NaHo(プロフ) - あの手この手で色々調べてみたんですが全くわからないので教えてくださいお願いします🙇🏻♀️ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 45b193f19a (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - 頑張って考えたんですが続編のパスワードが分からなくて...ヒントなど頂けたりしませんか？お忙しいと思いますが返信頂けると嬉しいです (2022年3月11日 18時) (レス) id: ab17c965b8 (このIDを非表示/違反報告)
White - すごくおもしろくて2も読んでみたいな、と思ったのですが、ヒントをみて、思いつく数字を片っ端から入れても、どんなに調べても分からなくて、もう少しヒントを頂けませんか？ (2021年10月31日 20時) (レス) id: 276347c53c (このIDを非表示/違反報告)
s.u - 私は、有名な4桁数字と調べたら出て来て、あ〜これか〜！ってなりました（今さらすみません） (2021年9月29日 20時) (レス) id: 4835169485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉怜 | 作成日時：2019年9月21日 23時
