兄さん攻略法２

攻略法70↓ ページ28

Noside




「え……と。」


少し話すのを躊躇ったが


「えっと、昨日兄さんと帰ったんだけど、怖いぐらい話がなかった。」


この世が終わったような顔で話す樹。


「瀬名先輩と黙ったままは気まずい。」


「でしょ？で私勇気を振り絞って兄さんに声をかけたんだけど。『用がないなら話かけないで。』って言われてそのまま。」


「うわっセッちゃんえげつな。」


「私もう兄さんと仲良くできないんだろうか。」


今度は泣きそうな顔でそう言う。


「なんか凛月と朔間先輩見てるみたいなんだけど。」


「え？朔間先輩と凛月くん？」


「ほら凛月は朔間先輩が嫌いだけど朔間先輩は凛月のこと大好きだろ。」


「……確かに。」


そんなことを横で聞いている凛月は心底嫌そうな顔をしていた。


「兄者のことはいいの。とりあえず樹は自分のペースでいいんだよ？もしセッちゃんが樹泣かせたら俺が殴りにいくから。」


「殴っ？！」


「もぉ笑顔でそんな事言わないの物騒よ、凛月ちゃん。でも樹ちゃん、もしも何かあったら教えてね。私も力になるから。」


「うんっ！」


「それに女の子は笑っている方が可愛いわ。」


そんなことを言った嵐に樹は


「えへへ////」


少し照れながら笑った。

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