【文スト】貧乳で何が悪い3【中原中也】

69話 ページ6

嗚呼、情けない

あんな技の一つや二つ出来なくてどうする

貴(何て役立たずなんだろう！)

腕に爪がギリギリと食い込む

ふと顔を上げると、中也は迎ってくる髪を避け 上から覆い被さった髪も重力で無力化していたが 野上には近づけていない

だが 此の儘ずっと髪を避け続けてもいずれ体力の限界が来る

……如何する？

焦るな、こういう時焦れば焦る程 案は出ない

お願い何か思いついて！！




中「っ！」

その時、中也の足に素早く髪が絡みつき バランスを崩した隙に両腕にも巻きついた




くすりと野上が嗤うと、黒い槍が中也に向かって凄まじい勢いで飛んで来る






"あんただけは 側にいて"



『中也！！』



もう一人だって 失いたくない！



私は身体が痛むのも忘れて走った




扇を出し、中也を貫こうと飛んで来る槍を 思いきり切り落とす

中「！」

野「な…っ」

野上は 先程まで動けなかった筈のAに驚きを隠せていない



『本当馬鹿よね

あんたも、私も』


もう誰も失いたくないなんて

そんなんじゃ生きていけない世界だと知っている筈なのにね


幼い頃から一緒にいるからか、憎たらしい中也の存在は私の中で結構大きいらしい





『私(・)が中也(・・)を守る』

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