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80話 ページ22

――――数時間後



中「〜〜ッあの青鯖野郎!!」

この上無い恥をかかされた。
少しでも太宰より優位な位置に立てたと思った俺が馬鹿だった!

次会った時は絶対ェに死なす!!

舌打ちをしながら暗い廊下をツカツカ歩いていると、医務室から漏れる僅かな光が中原の足を優しく照らした


中(……そういえば、)

Aはこの中で寝ているんだっけか

仕方ねェから見舞い位はしてやる。

ガラリと音を立てて扉を開けると、気持ちよさそうに寝ているAがベッドで横になっていた


どうせ起きているだろうと思っていたので扉の音で起こしてしまわなかったかと少し不安になったが 大丈夫な様だ。


ベッドの隣まで行き、Aの寝顔を覗いた

相変わらずの不細工な寝顔に思わず笑ってしまう

……つい先刻の俺を見られなくて良かった…

はぁ、と溜息をつく



『…、うーん…』

中「!」


Aが顔をしかめ 眩しそうに目を開けると 其の深緋色の瞳に中原を映した



『……何してんの』

中「…何も」


変な会話の後、Aが欠伸をしながらゆっくり身体を起こす

中「あっおい寝てろよ!」

『別に大丈夫よ』

馬鹿ね、と要らない言葉を付け加えた後 中原の事をじーっと見つめた


中「な、何だよ」

太宰との事もあり少し恥ずかしくなって目を逸らすと、Aは嫌な笑みを浮かべた

『太宰と何かあったんでしょ』

中「なっ何も無えよ馬鹿!!」

『ははーんあったのね』

中「無えっつってんだろ!」


目をキラキラ輝かせて 何があったのかしつこく聞いてくるAから逃げる様に医務室から出ようとする

中「何も無ェからな!じゃ…」

『待って』

少し真剣になった声で云われると 思わず足を止めてしまう

中「…何だよ」


『……』

『……』

『………やっぱり何でもない!』

中「否 何だよ今の間は!」

『五月蝿いなぁ早く出てってよ眠いから』

中「意味分かんねえ…じゃあな」


意味分からないと云いながらも律儀に別れの挨拶をし 扉を閉める


足音が遠のいて行く




『……はぁー…』

やっぱり面と向かって云うのは恥ずかしいな




…小さい頃 守ってくれてありがとねなんて

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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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みゃーすく - こんにちは!いつも楽しく読ませていただいてます!評価100票目いれましたよ!(ドヤァ)頑張ってください! (2018年12月22日 9時) (レス) id: 6bc0684f66 (このIDを非表示/違反報告)
灯火(プロフ) - 焼きそばパンさん» あ、よかったかえってきた.....(気にしなくて大丈夫ですよ!) (2017年6月11日 15時) (レス) id: a727658566 (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン(プロフ) - 灯火さん» はっ…危なく逝ってしまうところでした…危ない危ない…(返信遅くなってすみません汗) (2017年6月11日 13時) (レス) id: 07a3e57208 (このIDを非表示/違反報告)
灯火(プロフ) - 焼きそばパンさん» 待って待ってお墓いかないでまだはやいですよ((( (2017年5月16日 20時) (レス) id: e8716935ee (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン(プロフ) - 灯火さん» おわああめっちゃ嬉しいです!!!ありがとうございます┏┛墓┗┓ (2017年5月16日 20時) (レス) id: 07a3e57208 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焼きそばパン | 作成日時:2017年4月10日 19時

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