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A「…智くんはいるんですか？」
智「彼女？」
A「…はい」
智「つーか敬語いらねぇよ？」
A「、そっ…か、」
智「うん。智でいいし」
A「…さと…し？」
智「いいじゃん(笑)、呼び捨ての方が嬉しいの、俺」
…芸能人ぽくないこの人が芸能人やってる意味が、何となく分かった気がした。
周りを柔らかくさせるこの空気が、魔法みたい。
嵐って確か5人グループだったよね。
芸能人になりたい人なんて我が強い人ばっかりに決まってる。
グループだからこそ芸能人になれたんだろうけど、この人は周りの空気を柔らかくする魔法を使える人なんだ。
智「彼女いないよ、募集中」
…いない…んだ、
A「…芸能人の人って、みんな遊んでるんでしょ？」
智「え！？…俺、そう見える？」
A「……見えない…けど、合コン来てるし…」
智「合コンはみんなやってんじゃん(笑)」
A「…」
…そっか。
合コンなんて大学生とかすごいやってるし、私も何回か行ったことあるもんね。
智「そーだ、それより俺の印象、まだ聞いてなかった」
A「、印象？」
智「俺、Aの目にどう映ってんのかなーって」
…印象か。
A「…雰囲気が、柔らかい…かな」
智「柔らかい？」
A「人を和ませる魔法…使ってる？」
隣に座ってる智くんの方に目を向けると、思いの外近くにあった彼の顔。
A「、！！」
一瞬で顔を逸らすと、“ん？”て顔をのぞき込んでくる。
智「どした？」
A「、近いっ、」
智「あ、ドキッとしちゃった(笑)？」
A「…、」
智「…ちゅーしちゃう？」
…ちゅー…しちゃう…？
突然の発言に体が硬直してしまう。
ちゅーって…、え、なに、
＊
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作者名：うさこ
| 作成日時：2015年12月8日 16時
