だからこのまま…【Satoshi】 (ページ2)

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「え！もしかして嵐！？」

智「あ、知ってる(笑)？」

「うそ！松原さんが連れてくる人ってスタッフさんかと思ってたー」

「芸能人連れてくるっつったじゃん」

「そうだけど、芸能人に会えるなんておもってなかったですー！でも嵐なんてすごーい！」

…嵐？

私抜きで話がどんどん進んでいく。

隣を見ると、にこにこして２人を見てる彼。

…芸能人？嵐？

確かに見たことあるような顔だとは思ってたけど、

…嵐？

彼をじっと見つめてると、不意に視線がぶつかった。

A「…、」

智「ん？なに？」

A「、…嵐…さん、ですか…」

智「(笑)、嵐さん、だよ？」

ふと笑った顔が予想以上に可愛くて、ぎこちなく目を逸らす。

脚の上に乗せてる両手に力が入る。

…だって、なんか心持ってかれちゃいそうだったんだもん…

智「…知ってる？嵐」

顔をのぞき込んでくるその顔は、無邪気で慣れてる感じ。

A「嵐、知ってます、けど…」

智「俺は知らない？」

A「知らない、わけじゃなくて、…知ってはいるんですけど、」

智「ピンとこない？」

A「……すいません…」

智「んふふっ、いいよ、全然」

笑ったときの目が、やっぱり可愛い。

優しそうに垂れる目尻が、安心する。

A「でも、見たことはありますよ？」

智「見たことはあんだね(笑)。俺ってどんな風に見える？」

A「え？」

智「自分じゃ分かんねーじゃん？」

少しあった隙間を埋めるように、彼は座り直して距離をなくした。

普段なら会って間もない人にこんな事されたらウザくて払いのけたくなるけど、この人はなんか違う。

纏う空気が柔らかいから、そうされても嫌な気持ちにならない。

A「…あの、名前…」

智「あ、そか(笑)。智」

A「智くん…」

智「そっちは？」

A「Aです…」

智「…彼氏いるの？」

A「、え！？」

智「驚きすぎでしょ(笑)、」

…合コンだから、その質問…？

ちらっと友達の方を見てみると、楽しそうに２人の世界に入ってる。

…楽しそうってより、松原さんが友達の肩に腕を回して、いちゃついてるようにしか…

智「…気になる？」

A「え、」

智「ちょーいちゃついてんね、あの２人(笑)」

やっぱりその笑顔に、キュンとした。

＊