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「だめっ、」
「…けちぃ」
「かわい子ぶってもダメ」
ふんって顔を背けてみるけど、背中から抱きしめる力はさらに強くなった。
「…Aー」
「…なに」
「こっち」
智とは反対側に向けてた顔を、顎を持ってクイってそちらに向けられて。
柔らかな唇が不意に私のそれとぶつかった。
啄むようにしてちゅって音を立ててすぐ離れて。
…なんてゲンキンなんだろう。
あんなにダメって言ってたくせに、その一瞬のキスで全部が崩れ落ちたような気がした。
「かぁえぇ」
「……」
「してほしくなった？」
「……うん」
「素直(笑)」
「……智が悪いんでしょ」
「一回キスしただけだよ」
「…でも気持ちよかったもん」
「……」
"…さっきまでダメって言ってたくせに、それはずりぃよぉ"って体をのけぞらせた。
「……今したら来るよな」
「…来るかな」
「したらやっぱ後だよね」
「……」
「、うんって言えや(笑)」
……だって……
恥ずかしくて口には出せないけど、うずうずして仕方ないんだもの。
これでご飯普通に食べるとか……
その時。
ドアをノックする音と、お食事お持ちしましたって女将さんの声。
早っ！
慌てて智が私から離れる。
智に席に着くように促して、私はドアに近づいた。
きっと準備して待ってくれてたんだ。
そう思ったら申し訳なくなってきた。
「どうぞ！」
思ったより智の声が大きくて吹き出して、ガラガラと空いたドアから丁寧にお辞儀する女将さんが入ってくる。
頭を下げてちらっと智を確認。
……よかった、大丈夫みたい。
机でちゃんと隠れてる。
それから手際よく準備されていくお料理。
お刺身も天ぷらも、お肉まである！
「お飲み物どうなさいますか」
「A、なんか飲みたいもんある？」
「私はなんでも」
「したら瓶ビール2本」
「かしこまりました」
一旦女将さんが出て行って、向かいに座る智がにやにや笑ってる。
「……どうしたの」
「ビール楽しみ」
「あ、そうだよね。お仕事お疲れ様」
「じゃなくて」
「え？」
「Aえろくなんじゃん、ビール飲むと」
「、」
「乱れまくるA……楽しみ(笑)」
本当に嬉しそうにそう言ってにやにや笑ってる。
あぁ、かわいいな。
お酒で乱れてるわけじゃなくて"智だから"なんだけど。
そりゃあお酒の力があるとそういう気分になりやすいんだろうけど、それより智だから。
それ、分かってないのかなー。
*
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さゆ(プロフ) - こんにちは。とっても素敵なお話をありがとうございました(*´∀｀)何回読んでもぐっときます！妬いてるのも独占欲強いのもかわいい。まっすぐな智くんが素敵すぎです。また、智くんで書いてほしいなぁ。楽しみにしてます。 (2020年3月5日 12時) (
レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
智恵里(プロフ) - うわぁーん(。´Д⊂)素敵すぎます！！幸せになってくれて良かった！！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 82290003ef (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - さぼてんさん» さぼてんさん、こんにちは！無事完結しました！次のお話もお付き合いいただけると嬉しいです♪ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、こんにちは！楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)コメントありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ていくさん» ていくさん、こんにちは！お話、最後までお付き合いいただき、楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)ニノのお話読みたいと言ってくれる方がいてよかった(笑)一歩踏み出す勇気が出ました(*^_^*)いつもありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2019年9月7日 0時
