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…分かってた。
分かってたんだよ、いつかこんな日がくることは。
でも、一日でもAさんと一緒にいたくて。
大好きで大好きで仕方ない、あなたと笑い合っていたくて…
どんどんわがままになる。
最初は、Aさんから別れを告げられたら身を引こうって思ってた。
でも、時間が経つにつれてそれは俺の中でどんどん困難な事になってった。
他の誰かじゃない。
Aさんだから、手放したくなかった。
翔「…終わらせたくねぇよ、」
A「…翔くん…」
翔「…迷惑にならないようにする…」
A「…」
翔「…好きなんだよ…」
Aさんの顔が見れない。
格好悪ぃ…
A「…翔くん」
翔「え…、」
突然Aさんの手が、俺の頬に触れた。
驚いて顔を上げると、穏やかにこちらに微笑みをくれた。
A「…ありがとう」
翔「……、」
A「すごく、幸せだった」
…え…
A「翔君みたいに素敵な人が、私を好きになってくれて」
翔「…」
A「…私も、幸せだった…」
愛おしそうに髪を撫でられると、一瞬で理性が飛んでしまいそうになる。
A「…幸せすぎて…怖い…」
翔「、なんで…」
A「…この幸せから…抜け出せなくなりそうで…」
翔「え…？」
A「……ダメでしょ…？…私があなたしかいらないなんて言ったら…」
涙をためて微笑むその表情は、とてつもなくキレイだ。
A「…翔くんなら大丈夫、前に進める」
翔「、…いやだ…」
A「…翔くんの未来は、もっと明るいはずでしょ？」
…なんだよそれ、
Aさんのいない未来が明るい？
そんなはずない、そんなの、モノクロの景色にしかならない…
A「…今日で…さよならしよ」
どんなに首を横に振っても、Aさんは微笑んでるだけ。
俺の言葉なんて、もう聞き入れてもらえないの…？
A「いつかきっと、笑って話せる日が来る」
…だめだ、我慢できそうにない、
…苦しくて苦しくて…
あなたと会えなくなるなんて考えただけで、
もう笑い合うことさえ出来ないって思っただけで、
…なみだが…とまらないよ…
*
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作者名：うさこ
| 作成日時：2015年11月13日 23時
