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「勝手に何を、とおっしゃいましたが貴殿こそこの場で勝手な真似をなさっているようですが?」
今までに見せたこともないほど冷たい目を向ける朱雀にシュトラウスと呼ばれた人間以外は背中に嫌な汗が流れた。
「へぇ、お前がいるのか。
だが言霊外しも縁切りも罪に問われるぜ?」
「貴殿方の言霊仕様には条件があったはず。
ですがそれ以外の目的に使われていた。
不正をこのままにしておけば確実にブラックとなり得ますし私の判断は誤りではありません。
条件外の言霊の使用こそ罪に問われるのでは?」
相変わらず冷たい目で相手を見据える朱雀は兄である鶴丸や彼がつれている他の刀剣男士大和守安定、薬研藤四郎を庇うように前に出る。
「相手が同格ならいざ知らずお前らみたいな存在が俺達に楯突くことが許されるとでも?」
ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべからかうように告げる。
「貴殿は我が主ではないでしょう?
ならば貴殿に許しを乞う必要はない。」
不穏な空気を漂わせる2人に警察官達が間に入る。
「あんたらやめろよ。
少なくともここは神様のいる神社だろ?」
「まだ喧嘩したいっているなら俺達が間に入るが?」
警察手帳を見せながら前に出た松田と伊達にシュトラウスはふんっと鼻をならす。
「警察だろうが俺がこいつらに何しようが裁く権利があんのか?
あぁ、なるほどな。
そこの2人以外はなにも知らないと。
それにこんな神社に神がいる?
笑わせんな。
こんな廃れきったなんにも感じない場所になにかがいるもんか。」
ペッと社に唾を飛ばすシュトラウスに朱雀が殺気を飛ばす。
「どれだけ廃れようとこの場は我が愛しき場でございます。
故に、これ以上この場の格を下げるような行いをするのであれば…
その首文字通り飛ばすぞ、小僧。」
子供たちだけではなく大人や同じ刀剣でさえも恐怖を覚えるほどの殺気にさすがのシュトラウスも逃げるように去っていった。
「楓、やり過ぎ。」
誰もが唖然とし恐怖を抱えた目で朱雀を眺める中、いつもと変わらないような呆れた声が響いた。
その声に朱雀も殺気を仕舞いいつも通りの綺麗な笑顔を浮かべる。
「あの方にはきっとこれくらいが調度よいのですよ。
どんな理由であれ神を冒涜するは罪。
それに…
私はあの屈辱を忘れたわけではありませんわ。」
固く拳を握る朱雀に降谷は何かを察したように息を呑んだ。
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吹雪(プロフ) - コメント感謝しますm(__)m返信、更新ともに遅れて申し訳ないです。これからもよろしくお願いします! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
泉 - とても面白いです!更新楽しみにしています(^O^) (2018年10月8日 15時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吹雪 燐 | 作成日時:2018年10月2日 20時