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突然登場したその人物に自然と注目が集まる。

彼の腕に閉じ込められた朱雀は声が出ないほど彼にすがり付いて泣き鶴丸はそれを優しく撫でながらあやしている。

そんな様子を見た加州はどっちが年上なんだかわかったもんじゃないとあきれ半分な顔で笑う。


「えっとどちら様?」


諸伏が問うと鶴丸はニカッと爽やかに笑う。


「都守維茂(これもち)だ。

朱雀の兄…

といっても血は繋がっていないがな。」


幸せそうに彼女の頭を撫でる鶴丸は兄というよりも恋人に見える。


「楓お姉さんがここに来ることがわかってたの!?」


歩美が目をキラキラ光らせて問うと鶴丸は残念ながら、と首を横に振る。


「今日は別の用事でここに来たんだ。

紅がいるとは思わなかったなぁ…」


そろそろ泣き止め?といいつつ朱雀をあやすそのさまは恋人から一転優しい兄の姿であった。


「怒らねぇんだな。

話を聞く限りそいつはあんたに黙って姿眩ましてたんだろ?」


松田が意外そうに問いかけると鶴丸は悲しそうに目を伏せる。


「…怒れないだろう?

誰よりも苦しんで誰よりも涙を圧し殺してきたこいつに俺が怒れるところがあると思うかい?

なにより俺が紅と同じ立場なら同じことをした。

自分のことを棚にあげ紅ばかりを責めることは俺にはできない。


……それがどれだけ紅を苦しめているのか知っていてもな。」


鶴丸の言葉を肯定するかのように加州と五虎退は目を伏せた。

本丸のことも仲間を斬ることも主である零を殺すことも1人で背負ってきた朱雀を誰が責められるのだろうか?

いっそのこと仲間達に暴言を吐かれ痛め付けられた方が楽だというのに誰もそれをしない。

鶴丸のその言葉を聞いた朱雀は悔しそうに歯を食い縛りながら鶴丸から離れた。


「もう、大丈夫です。」


目を真っ赤に腫らしながら自分から離れていく朱雀に鶴丸は思わず手を伸ばした。

しかし自分の体を縛り付ける"何か"によってその手は止まる。

萩原以外の刀剣達から表情が抜ける。


「お前、勝手に何してんだ?」


鶴丸の後ろから聞こえる嫌な声。


「シュトラウス…」


憎々しげにその人物を睨む鶴丸は言霊のせいで動けずにいた。

そんな彼の様子を面白そうに見るシュトラウスと呼ばれたその男の横には二振りの刀剣男士がいた。


「安定っ」


「兄さん…」


「「っ!!」」


声が出せない二人が歯を食い縛ったときパアンッと軽い音が響いた。

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吹雪(プロフ) - コメント感謝しますm(__)m返信、更新ともに遅れて申し訳ないです。これからもよろしくお願いします! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです!更新楽しみにしています(^O^) (2018年10月8日 15時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:吹雪 燐 | 作成日時:2018年10月2日 20時

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