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「そうして朱雀晴明国永は本来あるべき場所であるここ、朱雀晴明神社に戻り都を守る役目を果たしながら1人朽ちていってしまったのです。

御神刀であるその刀が朽ちて以降この社は廃れてきました。

我が都守家は源博雅の血族としてこの社と伝承を守り続けてきたのです。

ですが時代と共に都守家は衰退し現在は私しか生き残りがおりません。」


寂しそうに笑う朱雀に一同は息を呑んだ。

美しく笑う彼女の裏にはたった1人という重圧が重くのし掛かっていた。

朱雀の経緯を知らない者なら両親も親族も亡くしたった1人で生きている女性に…

彼女の存在を知る者ならたった1人で国を守ってきた強い神様に…


思うことは違えど朱雀の抱える"何としてでも守り通す"その意思だけは誰も疑わなかった。


「楓お姉さんはいつから1人だったの?」


コナンが尋ねると朱雀は綺麗な笑顔で笑う。


「いつから、でしょうかね…

もう数えるのも億劫なくらいずっとずっと前ですわ。」


「お兄さんはどうしたんだい?」


世良が食いぎみに聞く。


「…兄とは生き別れました。

貴女方は大和から私の過去を聞いたのでしょう?

それ以来会ってはいませんよ。」


言い切る朱雀に世良は詰め寄る。

朱雀の過去を知らない人間達は訳がわからないという顔をしながら世良の様子をうかがっていた。


「なんで、何でなんだよ!!

家族は絶対に待ってるのに!

生きてるか死んでいるかもわからないそんな不安の中でも絶対に生きてるって、帰ってくるってずっとずっと信じて待ってるはずなのに!

どうして会ってやらないんだよ!!」


叫ぶ世良に沖矢は気まずそうに目をそらした。

彼女の訴えは自分に向いていることがよく分かるからだ。


「今さら、どの面下げて会えというのですか?

誰よりも傷つけた、誰よりも苦しませた、誰よりも愛したあの人にどの面下げて会えというのですか!!」


珍しく声を荒らげる朱雀に周りの人間が息を呑む中、聞き覚えのない冷静な声がその場に響いた。


「そこまでだ、紅。」


驚き目を見開く加州と五虎退、朱雀は声の聞こえた方へと視線を向けた。

向けなくても分かっていたことだった。

朱雀を"紅"と呼ぶのはたった1人しかいないのだから…


「あに、様…」


現代の服に袖を通した鶴丸はそう呼ばれて幸せそうに笑った。


「やっと会えた。」


そうとだけいった鶴丸はふわりとその腕に朱雀を抱き締めた。

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吹雪(プロフ) - コメント感謝しますm(__)m返信、更新ともに遅れて申し訳ないです。これからもよろしくお願いします! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです!更新楽しみにしています(^O^) (2018年10月8日 15時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:吹雪 燐 | 作成日時:2018年10月2日 20時

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