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2.末っ子に構いたい ページ2

沖田さんも着替えるために自室へと向かったので、私は一足先に朝食のため食堂へと向かう。

ぱらぱらと隊士たちが集まり始めているので、沖田さんを待たずに先に朝食を受け取ってから席につく。

少しの間待っていると、見慣れた隊服を緩く身につけた沖田さんの姿を見つける。



「先食べてても良かったのに」

「ついさっき取ってきたところですから」



沖田さんの朝食も揃い、私の正面に腰掛けて、ようやく食べ始める。これがいつも通りの私の朝食の光景だ。



「今日は?」

「見回りです」

「はー、あっちィな」



昼間の暑さを想像して、顔を歪ませる。

八つ当たりとばかりに冷水を一気に飲み干した沖田さんを苦笑しながら眺めていると、聞き慣れた声が頭から降ってきた。



「おはよう、総悟、Aちゃん。隣いいか?」

「近藤さん。おはようございます。いいですよ、どうぞ」



トレーを持った近藤さんが私の隣の席に座る。

気づけば食堂は随分と騒がしくなっていた。



「昔っから総悟とAちゃんは仲がいいなァ!いつも朝は一緒か?」

「一緒ですぜ」

「あれ、近藤さん、いつも朝ごはんこの時間じゃないんですか?」

「ああ、いつもならもう少し遅らせるんだが、何分、この後予定があってな」



近藤さんを加えた3人で談笑しつつ、朝食を平らげる。

一番遅く加わったのに、一番早く食べ終わった近藤さんは「んじゃ、今日も見回り宜しくな!」と快活な笑みを浮かべて行ってしまった。



「……あの人、今日非番だよな」

「お妙さんですかね」



やけに笑顔が輝いていたから、スナックすまいるにでも向かうのかもしれない。

食器とトレーを片付け、見回りの準備に向かう。

喫煙所の横を通ると、ふわりと煙の匂いがしたので、誰かいるのかとちらりと覗く。



「あ、土方さん」

「……Aか。今日一番隊は見回りじゃねーのか?」

「今からその準備に向かうところです」

「そうか。……くれぐれも、総悟がサボらねェように見張っとけよ」

「勿論です。任せてください」



ふふん、と得意げな表情を浮かべると、土方さんはふは、と笑って、私の頭をぐりぐりと撫で回した。

こういうところ、いつまでも子供扱いだ。

3.無意識に一枚上手→←1.御早うから頂きますまで



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乙愛 - 草間さんのセリフにグッときたがワイは負けん…はっ!総悟!違う私は一筋じゃぁ (2018年12月19日 18時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - 乙愛さん» コメントありがとうございます。良い意味でキュッとして頂けたら幸いです。物語が徐々に動き始めてきましたので、どうか今後も見守ってくれたら嬉しいです。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - なんか、心臓キュッってなりました。( ・∇・)きゅーん (2018年12月7日 22時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - アルハさん» 本当に嬉しいお言葉、ありがとうございます。受験生なんですね…この作品で、少しでもアルハ様の応援が出来たらいいなと思っております。ありがとうございました。 (2018年11月28日 7時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 受験生の身でありながらついぶっ通しで読んでしまいました・・・笑上から下までタイプですありがとうございます。これからも応援してます! (2018年11月27日 16時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年8月17日 23時

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