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71.好きの理解度 ページ21

『……総、くん?』



勇気を出して、少しミツバさんの真似をして、そう呼んだ。

すると総くんはぴたりと固まって、それから油が足りないロボットのようにギギギとゆっくりこちらを向いた。



『…………なんでィ』

『総くんって、呼んでもいいの?』

『…勝手にしろっ』

『…!うん!』



それから、総くんと少しずつ話すようになった。

近藤さんはすごい人だとか、土方コノヤローは気に食わないだとか。

同年代ということもあって、すぐに打ち解けることが出来たし、気づけば1番話す相手になっていた。

相変わらず試合で勝てたことはないけれど、1度だけ『……お前、強くなったな』って言って貰えたときは、すごく嬉しかったっけ。

今思えば、私と総くんが仲良くやってる姿を、みんな微笑ましそうに見ていた気がする。恥ずかしい。



総くんは頑なに認めなかったけど、ミツバさんは土方さんのことが好きらしかった。

だから2人のことをよく観察していたら、土方さんもミツバさんのことを好きなんじゃないか、ということに気付いて。

初めて2人が想いあってることに気づいたときは、謎に私まで恥ずかしくなって耳まで真っ赤にしたものだ。

思春期だもの、仕方がない。



『……俺は絶対ェ、認めねェ』

『どうして?素敵だと思うけどなあ』

『あんなヤローに姉上は渡さねェってんだ!』



ぷんすかしている総くんが可愛くて、思わず笑ってしまった。



『…お前は、好きな奴とかいねェの』

『好きとか、恥ずかしいし難しくて、よくわかんない』

『……ふーん。』

『総くんは、好きな人いるの?』

『いる』

『へー!好きってどんな感じ?』

『…一緒にいて嫌じゃないとか、ずっと話してたい、とか?』

『それが好きってこと?』

『……分かんねェけど、俺はそう』

『じゃあ、私、総くんのこと好きかも』

『は、……え、』

『でも、一緒にいて楽しいとか、たくさんお話したいっていうのは総くんだけど、土方さんとミツバさんみたいじゃないかも…』

『どういう、意味』

『よくわかんないけど、なんか違う気がする』

『……俺も、Aのこと好き』

『そうなの!?…あ、ありがとう?』

『……、』

『でもやっぱり、ミツバさんとは何か違う気がするなあ。何でだろ。好きって難しいね』



子供の頃なんて、恋愛感情を正しく理解出来ていたとは思えない。

今だって、自信がないのに。

今になって思うけど、総くんは私よりも少し、大人びていた気がする。

72.人生における転機→←70.たくさんのきっかけのお話



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乙愛 - 吉沢亮さん、良すぎですよね……。ほんと、沖田さん…。現在1番好きな役者さんです。 (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - お疲れ様でした!最後の写真みてみたいです…/// (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ののこ(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしていました。終わってしまって寂しさもありますが、素敵な小説に出会えて良かったです。ありがとうございました! (2019年2月10日 1時) (レス) id: c2027c837f (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - とても素敵な作品に出会えて幸せでした。ハッピーエンドでとても嬉しかったですし、完結した寂しさの反動も大きく、それ程この小説にハマっていたのだと思います。本当にお疲れ様でした!(実写版沖田さん…本当に完璧と言わざるを得ない程素敵だと私も思いました!) (2019年2月8日 19時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
春先未(プロフ) - お疲れ様でした…本当に面白く更新を楽しみにしていた作品だったので終わってしまい寂しさ半分、素敵な作品と出会えたという幸せな気持ち半分です。とても素敵な作品をありがとうございましたm(_ _)m (2019年2月8日 18時) (レス) id: 948ea5509c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年12月14日 8時

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