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Aside
翔と別れ、家に帰った。
想定内なのが虚しいが、家には誰もいない。
いつものことなのに、つい出てしまった深い溜息に、自分で苦笑しながら、夕飯の準備をする。台所に使った覚えのない食器がそのままにしてあったから、父親か母親は帰ってきていたのかもしれない。
1人でご飯を食べても、頭の中は面談のこと。
どうしようどうしようと悩んでいるうちに、苦い思い出が頭をよぎった。
それは小学校5,6年くらいの時。まだちょっと温かい家庭を夢見てたころだったから、当たり前のように、母親に家庭訪問の話をした。
A"ねえお母さん、この家庭訪問の手紙、明日までだから書いて〜！"
この頃から既に父親は帰ってこなくなっていたし、母親も帰らない日が多かった。
それでも幼心に淡い期待を抱いて聞いた。
母親は"はぁ"とため息をついて、手紙を受け取り、次の瞬間、ビリビリに破いた。
陽子"あんたね！よく覚えときなさい。私はあんたを養うために必死で働いてるの。家庭訪問なんてくだらないもののために、仕事休めないから。二度と私にそんなこと言ってこないで？あぁというかもう話しかけるのもやめてね？うざいから！"
すごい冷たい目で一気に言われた言葉は、今でも一言一句覚えている。たまたま仕事でイライラしてたのもあったかもしれない…本音じゃなかったかもしれない…でもそれ以来、私は自分の家族に対する淡い期待を捨て、極力親と話さないようになった。それは今でも変わらない。
しばらく放心状態だった。
ようやく時計を見ると、30分も経っている。
そんな自分に呆れていると、玄関で音がした。
なんでこういう時に限って、帰ってくるかな。逃げ出してしまいたい衝動を抑えて、面談の手紙を手に持った。チャンスは今しかない。
A「あ…あのさ、これなんだけど」
さっき昔のことを思い出したせいか、少し声が震えたけど、母親に手紙を見せた。
陽子「なにそれ？あぁ面談ね。」
とりあえず破り捨てられなかったことに安堵した。
陽子「フッ笑 行くわよ」
俯いたままで聞こえてきた声は、あと時と同じで冷たさだけど、内容は真反対だった。
A「え、」
望んでいた返答のはずなのに、動揺して固まっていた。
陽子「ここに書いておくから、」
驚きながらも"ありがとう"と言おうとしたそのとき、背中越しに聞こえてきたのは
"その代わり、私が連れ込んでる男のこと、あいつに言わないでね？"
やはり冷たい声だった。
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千夏(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります！これからも更新頑張ります(*^^*) (2019年7月12日 18時) (
レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 千夏さん» いえいえ！ 本日も更新ありがとうございます！ 毎日楽しみにしてます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
千夏(プロフ) - ayaさん» すみません、すっかり忘れていました…(^_^; わざわざ教えていただき本当にありがとうございます！ (2019年7月10日 7時) (レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 千夏さん» コメントありがとうございます！ はい！応援してます！ ちなみに、返信するときはレスっていうのを使うといいですよ！(知ってたらごめんなさい) (2019年7月10日 7時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
千夏(プロフ) - コメントありがとうございます！感想とても嬉しいです(*^^*)感謝の気持ちは更新でお返しできたらと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年7月10日 0時) (レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千夏 | 作成日時：2019年7月8日 11時
