〜10〜 ページ10
「あれ、Aさんそんなに平野のこと好きなの?」
「なんで?」
下手したらそれこっちのセリフなんやけど。
「だって僕の会社まで着いてきてるやん。」
「なに言ってんの、私の会社なんやけど。」
「「…えっ」」
「Aさんと同じ会社やったん!知らんかった!」
「私も…びっくりやわ。」
世間狭すぎひん?
なんて、こんなとこで感心してる場合じゃなかった。
「あれ、A…ちゃん?」
「え、あ…小瀧さん。」
なんでこんなときに。
左手の薬指に光る指輪が胸を締め付ける。
「あ、のんちゃん!おはようございます!」
「おい、紫耀。のんちゃんって言うな。先輩やぞ!」
「だってのんちゃんがのんちゃんって呼んでいいって言うたやん!」
「あーもう、それよりここで何してるん?」
望…いや、小瀧さんの視線が私たちの手に……
「あっ」
急いで手を離したけど絶対バレてる。
「どうしたん?Aさん。」
「いや、偶然会ってお話ししてただけです!」
「え、何言うて…」
「早くしないと遅刻する!」
そう言って紫耀くんを引っ張った。
146人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「小瀧望」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いーすとぼーい。 | 作成日時:2016年11月20日 0時