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「あれ、Aさんそんなに平野のこと好きなの?」



「なんで?」



下手したらそれこっちのセリフなんやけど。



「だって僕の会社まで着いてきてるやん。」



「なに言ってんの、私の会社なんやけど。」



「「…えっ」」



「Aさんと同じ会社やったん!知らんかった!」



「私も…びっくりやわ。」



世間狭すぎひん?



なんて、こんなとこで感心してる場合じゃなかった。



「あれ、A…ちゃん?」



「え、あ…小瀧さん。」



なんでこんなときに。



左手の薬指に光る指輪が胸を締め付ける。



「あ、のんちゃん!おはようございます!」



「おい、紫耀。のんちゃんって言うな。先輩やぞ!」



「だってのんちゃんがのんちゃんって呼んでいいって言うたやん!」



「あーもう、それよりここで何してるん?」



望…いや、小瀧さんの視線が私たちの手に……



「あっ」



急いで手を離したけど絶対バレてる。



「どうしたん?Aさん。」



「いや、偶然会ってお話ししてただけです!」



「え、何言うて…」



「早くしないと遅刻する!」



そう言って紫耀くんを引っ張った。

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作者名:いーすとぼーい。 | 作成日時:2016年11月20日 0時

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