あの日、あのBarで (ページ26)

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「ごめん…」

キスしたあと、開口一番のセリフは謝罪の言葉やった。

そんな言葉、聞きたくない。

「軽い気持ちで好きなんて言ってない。
それ、わかってほしくて…」

「でも困らせちゃったよな。ごめん。」

神様は残酷。

なんでこんなことになるの。

「ほんまごめん、今のは忘れて…」

「忘れれるわけない。」

「えっ」

「私、望くんのことが好きなんやもん。」

「Aちゃん…」

「ひどい、自分勝手や。」

「ごめん。」

「さっきから謝ってばっかり。」

「…ごめん。」

「責任、取ってよ。
こんなに望くんを好きにさせた責任。」

その日は2人ともお兄ちゃんのとこへは帰らずに私の家で過ごした。

初めての罪を犯した日。

朝起きたら2人とも携帯にお兄ちゃんからの鬼のような数のLINEと電話。

「流星にも、内緒やで。」

ここから始まった秘密の関係。

「もっと早くAと出会えてたらなぁ。」

なんて望はずるい。

この日からいつ告げられるかわからない別れ話を恐れながら禁断の恋に溺れてる。